研究課題/領域番号 |
21H03321
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
木場 智史 鳥取大学, 農学部, 教授 (40565743)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | セントラルコマンド / 体性神経系 / 自律神経系 / オレキシン / 視床下部 / 運動 / 光遺伝学 / ラット / 交感神経 / 自律神経 / 歩行 / 交感神経活動 / 中脳 |
研究開始時の研究の概要 |
運動するために高位中枢より生じるシグナル(セントラルコマンド,CC)は交感神経活性も司るが,その実体は不明である.研究代表者らは,CCの脳内回路の解明研究を進めている.本研究では,これまでに明らかにした知見をもとに,先端の遺伝子工学技術を融合したin vivo生理学実験を軸として,オレキシン系によるCC機能の生成とその投射経路を実験生物学的に調査する.
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研究成果の概要 |
セントラルコマンドは運動中に稼働して自律神経系を制御する脳内活性メカニズムである。運動に適した内部環境を整えるために心臓血管系や呼吸系の働きを変化させる働きをもつ。本研究では、遺伝子改変ラット、光遺伝学、組織解析、in vivo生理学実験などを組み合わせた実験生物学的研究戦略から、視床下部にあるオレキシン神経系が歩行運動に必要なセントラルコマンド機能を生成するのに不可欠であることを突き止めた。また、その機能生成には中脳歩行誘発野の働きを介することが示された。運動時のオレキシン神経系の働きを制御する脳機構の解明は今後の研究課題である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
運動するには筋肉に十分量の血液を送るために自律神経系が働き、各器官の血管の太さや心臓の動きが直ちに変化する。この調節には、筋肉を動かすために脳内で生じるシグナル(セントラルコマンド,CC)による役割が重要である。本研究では、視床下部オレキシン神経系がCCの脳内回路の一端であることを突き止めた。体内の状態を運動に適したものへと速やかに変えていくこの神経系の働きは、歩行の開始・継続に理にかなっている。本研究成果は運動パフォーマンスが心理状態によって変わる仕組みの解明や、各疾病患者の日常生活で見られる血行動態異常の病態解明やその治療法開発に役立つことが期待される。
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