研究課題/領域番号 |
21H03372
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
鈴木 英雄 筑波大学, プレシジョン・メディスン開発研究センター, 客員教授 (00400672)
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研究分担者 |
磯辺 智範 筑波大学, 医学医療系, 教授 (70383643)
岡田 浩介 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80757526)
正田 純一 筑波大学, 医学医療系, 客員教授 (90241827)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | NASH / RNP / p62 / Nrf2 / 抗酸化剤 / 肝癌 / 抗酸化nano-medicine / 腸肝軸 / 遺伝子改変マウス |
研究開始時の研究の概要 |
肝癌による死亡者の内訳には年次的変遷が見られる.その多くが高齢者層を中心に肥満や糖尿病に関連したNASH肝癌である. しかし, 高齢者の 肝癌予防の取り組みは機能していない.DysbiosisはNASHからの肝発癌に深く関与することが想定されている. Dysbiosisは, 腸管上皮の透過性の亢進とあいまって,高LPS血症を引き起こす.さらに, LPSは肝発癌をプロモーションさせる.RNPO は肝臓に対して高LPS血症により派生した悪玉活性酸素種を選択的に消去し,抗炎症・抗酸化作用を発揮する.RNPO はGut-Liver axisを介して, 高LPS血症による肝発癌を抑止する可能性がある.
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研究成果の概要 |
抗酸化レドックス粒子(RNPO)は,悪玉活性酸素種を選択的に消去し顕著な抗酸化作用を発揮することより,NASHモデルのSqstm1:Nrf2遺伝子二重欠失(DKO)マウスにおける肝線維化と肝発癌を抑止した.ヒト慢性肝疾患におけるNRF2の発現と細胞内局在を解析した結果,NRF2の肝細胞における染色強度は,肝炎症,線維化と有意に関連し,それらの高度な症例ではNRF2の染色強度が低下していた.また,核局在・濃染が高度の症例では,炎症・線維化が高度であった.RNPOはNRF2の発現低下により生体の抗酸化作用が低下した個体において,肝炎症・線維化の進展を抑止する生体材料として有用であると考えられた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗酸化レドックス粒子(RNPO)は環境応答能を有する抗酸化剤を含むナノ粒子である.本研究では,悪玉ROSsに対して優れた選択的消去能を発揮して,NASHモデルにおいて肝炎症・線維化を抑止することが実験的に解明できた.また,RNPOには腸内細菌叢の多様性を回復させ,Gut-Liver axisを介して, 肝障害を引き起こす有害な種々の腸管由来の生物学的因子の影響を軽減するポテンシャルがあることも解明できた.今後のNASHに対する予防・治療のための新薬候補となる可能性が示唆された.
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