研究課題/領域番号 |
21H03386
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
若林 一郎 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70220829)
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研究分担者 |
中野 知之 山形大学, 医学部, 准教授 (00333948)
丸茂 幹雄 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (40333950)
大門 貴志 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40372156)
荒木 慶彦 日本大学, 医学部, 客員教授 (70250933)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | 血管作動性ペプチド / 高血圧 / 動脈硬化 / 血管内皮細胞 / 血管平滑筋細胞 / 飲酒 / ペプチド / バイオマーカー / 動脈硬化性疾患 / ペプチドマーカー / 妊娠高血圧 / リスク予知指標 / 血中ペプチド / リスク要因 |
研究開始時の研究の概要 |
飲酒を好む人では高血圧になりやすいが、その理由は不明である。我々は飲酒後の血圧変動と関連する2つの血中低分子量ペプチドを同定し、それらはフィブリノーゲンおよび補体C4の断片であった。本研究では、これらのペプチドを用いて、飲酒により高血圧になりやすい人の選別を試みる。具体的には、健診受診者を対象に上記ペプチドの血中レベルを測定し、飲酒歴および血圧との関連性を明らかにする。さらにこれらのペプチドの機能を血管および血小板を用いた実験により検討し、飲酒後に出現する血圧変動のメカニズム解明に挑む。
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研究実績の概要 |
飲酒時の血圧変動と関連するペプチド(m/z 2378)が妊娠高血圧に関連する7つのペプチド(m/z 2081, 2091, 2127, 2209, 2378, 2858, 3156)の1つと同一であったことから、これらのペプチドの血中レベルと動脈硬化のリスクファクターとの関連性を検討した。定期健診受診者では、7つのペプチドの中で、m/z 2091のペプチド(P-2091)のみが拡張期血圧と有意な負の相関を示した。m/z 2378のペプチド(P-2378)はBMIと正の相関を示し、HDLコレステロールと負の相関を示した。m/z 3156のペプチド(P-3156)はBMIおよび中性脂肪と負の相関を示した。ヘモグロビンA1cと有意な相関を示すペプチドはなかった。以上の結果から、P-2091(fibrinogen α鎖由来)、P-2378(complement component 4由来)、P-3156(inter-α-trypsin inhibitor由来)は健常人で心血管疾患リスク予知のバイオマーカーになる可能性が示唆された。 動脈硬化による心血管疾患のリスク予知指標として、我々は血中脂質と肥満のいずれをも反映するCMI (cardiometabolic index)を提唱した。今回新たなリスク予知指標として、血中ヘモグロビン濃度と白血球数で計算されるHMI (hematometabolic index)を考案し、血中ペプチドレベルとCMIおよびHMIとの関連性を健常人で検討した。CMIとHMIは有意な正相関を示した。7種類のペプチドの中で、P-3156はCMIと有意な負の相関を示し、P-2378はHMIと有意な正相関を示した。これら以外のペプチドはCMI、HMIとは有意な相関を示さなかった。このようにP-2378とP-3156が動脈硬化のリスクと関連することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により健診関連の疫学研究が計画通りに進まなかった。
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今後の研究の推進方策 |
健常人対象の疫学研究に加えて、動脈硬化性疾患である下肢動脈硬化症患者を対象として、ペプチドマーカーの意義を検討する。また、血管壁細胞を用いた実験研究を推進する。
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