研究課題/領域番号 |
21H03393
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60010:情報学基礎論関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
萩原 学 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (80415728)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 量子符号 / 削除誤り / 符号理論 / 誤り訂正 / 組合せ論 / 量子誤り訂正 / 挿入誤り / マルチ削除 / MDS符号 / 量子情報 / 量子誤り訂正符号 / 削除符号 / 平面配置 / 量子削除符号 / 量子挿入符号 / 挿入/削除符号 |
研究開始時の研究の概要 |
目標は、既存の量子通信路を一般化したモデルに対する誤り訂正符号の理論的実現である。 もう1つの目標は、古典符号理論から自然に導かれる予想である。古典符号理論では、削 除誤りを訂正する符号は、削除誤りと挿入誤りを組合わせた誤り訂正できる、という強力な 定理がある。この量子版を証明することが目標である。
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研究実績の概要 |
-量子削除誤り訂正符号の符号化率増加および、訂正可能な削除誤り数の増加に成功した。これまでは単一誤り訂正を研究対象にしていたが、任意の自然数に対して、それだけの削除誤りを訂正可能な量子符号の構成に成功した。さらに、符号長を変化することで、任意の符号化率に漸近できる符号系列の構成に成功した。この成果のベースとなる単一誤り版は次として講演した。【単一量子削除誤り訂正符号を与える分割の条件と例、萩原学、量子情報研究会(QIT47)、2022年12月9日】。また複数誤り版は、論文誌に投稿中である。 -古典消失誤り訂正符号から量子削除誤り訂正を構成する手法を開発した。MDS符号とそれを含む古典消失誤り訂正符号および、新たに提案する交代サンドイッチ関数を組み合わせることで、量子削除誤りを古典消失誤りの議論へ落とし込む手法である。この成果の単一誤り版は次として講演した。【量子削除誤り訂正のための古典誤り訂正符号の構成、萩原学、情報理論研究会 2023年1月24日】。また複数誤り版は、論文誌に投稿中である。 -諸外国でコロナ禍が一段落した状況を受けて、海外での研究活動に注力した。米国のハワイ大学を中心に、カピオラニコミニティカレッジ、ハワイ海洋大学、コロラド大学でも研究討論を行った。フィンランドで開催された国際シンポジウムISIT2022への参加時は、世界中の研究者と顔を合わせて議論する時間を久しぶりに設けられた。これらの活動により、削除誤り訂正に関する知見を格段に増やすことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
量子挿入誤り訂正符号の研究で大きく進展できた。複数の量子削除誤りを訂正できる符号を応用して、量子挿入/量子削除の組み合わせ誤り訂正に挑める状況となった。
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今後の研究の推進方策 |
量子挿入/量子削除の組み合わせ誤り訂正に挑む。また、本年度の量子削除誤り訂正に関する成果の、量子挿入誤り訂正版の理論構築に挑む。これらの知見が増えることで、量子削除誤りと量子挿入誤りの訂正可能性の同値性もしくは相違が見えてくると期待している。
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