研究課題/領域番号 |
21H03428
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60060:情報ネットワーク関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
前川 卓也 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 准教授 (50447025)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2021年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | ワイヤレスセンシング / 行動認識 / WiFi電波 / ユビキタスコンピューティング / コンテキスト推定 / Wi-Fiチャネル状態情報 / Wi-Fi電波 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、Wi-Fi電波を用いたコンテキスト認識のための基盤技術研究を行う。提案する手法を用いて、人間の活動により変化する環境内の電波の伝搬情報を用いて認識を行う。本研究では特に、Wi-Fi電波を用いたコンテキスト認識モデルの運用性を高める転移学習技術の研究開発を行うことで、各環境で必要だった学習データ取得コストを百分の一程度まで大幅に低減し、異なるタスク間(行動認識や転倒検知といったタスク)での転移学習や学習データに含まれない行動の認識をも実現する。
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研究実績の概要 |
Wi-Fi電波を用いた環境非依存な行動認識のため、Wi-Fi ToA(Time of Arrival)を用いた、Wi-Fi端末(スマートフォンなど)間の物理的距離を推定する手法を開発した。本研究では、環境に設置されたAPと各端末間で計測されたToAを利用して、グラフニューラルネットワークにより端末とAP間の地理的関係性を捉える。本成果は情報処理学会ユビキタスコンピューティングシステム研究会で発表し、学生発表奨励賞など2件の賞を受賞した。本成果は、UbiCompやPercomといった当該分野の最難関会議に論文投稿を行う予定である。 また、これまでに開発した手法の派生的な研究として、Wi-Fi端末が撮影した画像とWiFi信号を用いて、屋内位置推定システムを容易に構築する手法を提案し、当該分野の代表的な国際雑誌であるElsevier Pervasive and Mobile Computingにその成果を発表した。提案手法は、ショッピングモールなどでの屋内位置推定を前提とし、画像から大まかな位置推定を行ったあと画像に対応付けられたWi-Fi電波の潜在表現をモールのフロアマップ上に埋め込むことでフロアの電波マップを得る。 また、年度内の成果発表までは至らなかったが、電波の到来角、到来時間、ドップラー速度に関する環境に依存しない情報をWi-Fi CSI(チャネル状態情報)を用いて同時推定する手法を開発し、実環境にてその評価実験を行っている。本成果をまとめ、2023年度中に成果発表を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・Wi-Fi電波を用いて、環境に依存しない距離の情報を推定する手法を提案した。また、これまでに開発した手法の派生的な研究として、Wi-Fi端末が撮影した画像とWiFi信号を用いて、屋内位置推定システムを容易に構築する手法を提案し、国際雑誌にて成果発表した。 ・昨年度の成果において、環境に依存しない特徴を抽出することで環境内の人間行動情報を推定する手法を開発している。その成果は国際会議Mobiquitous2021にてポスター発表を行った。 ・昨年度の成果において、環境非依存な現在位置のセマンティックラベル推定手法を提案した。その成果はIEEEのジャーナルにて発表した。
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今後の研究の推進方策 |
・執筆は行ったが、論文採択にまで至らなかった成果に関して、追加実験などを行い、再度論文投稿を行う。具体的には、環境に依存しない特徴を抽出することで環境内のオブジェクトの状態変化を推定する手法および、電波の到来方向に関わる特徴をWi-Fi CSI(チャネル状態情報)を用いて推定する手法に関して論文投稿を行う。 ・これまでの成果を組み合わせて、電波の到来角、到来時間、ドップラー速度に関する環境に依存しない情報をWi-Fi CSIを用いて同時推定する手法を完成させ、論文投稿を行う。
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