研究課題/領域番号 |
21H03489
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
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研究機関 | 玉川大学 (2022-2023) 国立情報学研究所 (2021) |
研究代表者 |
稲邑 哲也 玉川大学, 脳科学研究所, 教授 (20361545)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | バーチャルリアリティ / ヒューマンインタフェース / 認知科学 / コーチング / 身体動作 / メタ認知 / 行動変容 / バーチャルリアリティー |
研究開始時の研究の概要 |
スポーツやダンスなどの動作パフォーマンスを向上させる手段として,他者の視点から自身を観察する状況を想像し,修正の気付きを得るよう誘導するコーチングという形式がある.これを自分自身で行うセルフコーチングに着目した際,単に鏡で自分自身の運動を観察しただけではコーチングが成立しない事が多い.本研究ではセルフコーチングが成立する条件を明らかにするために,VRシステムを用いて,(1)メタ認知を伴うセルフコーチングが難しい状況・タスクは何か?(2)メタ認知を促進するための情報として視覚情報以外のモダリティーに有効性はあるか?という学術的問いに対する答えを明らかにする.
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研究実績の概要 |
仮想環境において自分自身の身体運動・行動を振り返り、メタ認知を促すための行動計測・記録・再生のためのVR(Virtual Reality)インタフェース基盤の構築を行った。ドメインとしては荷物の運搬作業を対象とし、身体にかかる負荷をリアルタイムに推定し、色や棒グラフなどを用いて負荷を可視化し、自分自身へのフィードバックを可能とするインタフェースを構築した。さらに、リアルタイムに計測した身体運動を拡張し、被験者に理想的な身体運動を呈示するシステムも構築した。被験者実験を通じて、リアルタイムに動作計測、身体負荷推定が可能であることを確認し、フィードバックを与える前後での身体動作の変化を計測する基盤を構築し、可視化フィードバックの効果を定量的に計測する実験システムを構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はリアルタイムにユーザの身体負荷を推定し、それをバーチャルリアリティ上に可視化してフィードバックをするシステム構築を進めた。研究代表者がこれまでに開発してきたSIGVerseと呼ばれるバーチャルリアリティ内での行動の可視化・記録システムをベースとして、産業技術総合研究所が開発した Dhaiba Works と呼ばれるソフトウェアシステムとの連携を行うことで、リアルタイムな身体負荷の可視化を実現した。具体的にはSIGVerseで計測した身体のキネマティクス情報をDhaiba Connect と呼ばれる通信路でDhaiba Works に送信し、ユーザ固有の身体条件に基づいて推定された身体負荷をSIGVerseに送り返すことで可視化を行うシステムを構築した。実際に10kgの重量の荷物を運搬するタスクを対象として、運搬の動作によって生じる身体負荷を可視化するフィードバックの前後で、動作がどのように変動するかを計測するシステムを作成し、被験者実験を開始した。これにより定量的にフィードバック戦略の効果を評価することが可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
現在は予備実験として8名程度の被験者で定量的な評価が可能であることを確認した状況であるため、今後は被験者を最低20名程度に増加させ、統計的・定量的な評価を行う。それにより、可視化フィードバック戦略として、色による身体負荷の大小表現、棒グラフなどによる身体負荷の大小表現、理想と現実のギャップの大きさを対象とした可視化戦略、シンプルな理想と現実のキネマティクスの差の可視化など、複数のフィードバック戦略の効果を比較検討する。 また、音の高低や音量、ハプティクス情報の提示など、マルチモーダルなフィードバックについての効果の評価も検討する。
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