研究課題/領域番号 |
21H03508
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61040:ソフトコンピューティング関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
島田 裕 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (50734414)
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研究分担者 |
野村 亮太 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (70546415)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | 非線形時系列解析 / ネットワーク科学 / Temporal networks / テンポラル・ネットワーク / 非線形ダイナミクス / テンポラルネットワーク / 人間行動データ |
研究開始時の研究の概要 |
情報通信技術の発達により,インターネット上での個人の活動記録や多数の人と人の対面データなど,人間の行動を記録した大量のデータを得ることが可能になった.これらの人間行動データは,感染症やコンピュータウイルスの伝播の研究,無線通信技術の研究など様々な分野で広く活用されている.本研究では人の心理的状態に関する情報を考慮した人間行動データを対象として,人と人のつながりの時間変動を非線形ダイナミクスの観点から捉えることで,人間行動データを体系的に解析するための新たな理論基盤を構築することが眼目である.また,その工学的応用に向けて基礎的な検討を行う.
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研究実績の概要 |
インターネット上での個人の活動記録や多数の人と人の対面データなど,情報通信技術の発達により,人間の行動に関する大量のデータを取得することが可能になっている.テンポラルネットワークとも呼ばれるこれらの人間行動データに関する研究が近年国内外で盛んである.これらの人間行動データは,感染症やコンピュータウイルスの伝播の研究,無線通信技術の研究など様々な分野で広く活用されている.本研究では人と人のつながりの時間変動を非線形ダイナミクスの観点から捉えることで,テンポラルネットワークを解析するための新たな理論基盤の構築を目指す.本年度では,従来の非線形力学系理論に基づく時系列解析手法をテンポラルネットワークの解析へと応用するための手法の検討,および解析手法を提案した.提案手法の性能評価には,すでに公開されているテンポラルネットワークのデータや人間行動を再現する数理モデルを用いた. さらに,従来の研究で用いられている一般的な人と人のコンタクトデータには,個人の心理的情報は含まれていない.本研究では,集団の行動データを計測すると同時にアンケート調査等により個人の心理的状態に関する情報を取得する実験を実施する計画である.本年度では,人が主観的に感じる心理的な距離を測定する尺度を作成するという観点から先行研究をレビューした.また,音楽ライブなど,多くの人が時間・空間を共有する状況で生じる,認知,感情や体験を計測する準備として,視聴覚刺激に対する認知に関して,映像作品を視聴時の視線および瞬目を計測する実験を行った.また,感情体験に関して,閉眼条件で音楽を2日から7日間隔で繰り返し提示し,音楽鑑賞時の心拍を計測する実験を行った.これらの実験で得られたデータの基本的な解析を行った.以上の成果の一部を国内外の研究会等で報告した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の流行により,当初計画よりも実験の実施時期が後ろ倒しになった.一方,実験以外の項目については概ね計画通りに進んでおり,これらを勘案して「やや遅れている」と判断した.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,従来の非線形力学系理論に基づく時系列解析手法をテンポラルネットワークの解析へと応用するための理論の整備,解析手法の検討を行う.既に取得した人の行動に関するデータについて,個の振る舞いと集団の振る舞いの詳細な解析を行うとともに,新たに集団の行動データを計測する実験を実施する.計測したデータを用いて手法・モデルの妥当性の検証及び提案手法の性能評価等を行う.その際,すでに公開されているテンポラル・ネットワークのデータや人間行動を再現する数理モデルも併用する.
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