研究課題/領域番号 |
21H03528
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61060:感性情報学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柳澤 秀吉 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (20396782)
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研究分担者 |
加藤 健郎 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (70580091)
上田 一貴 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (10403594)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | 感情 / 数理モデル / 自由エネルギー / デザイン / 脳計測 / ベイズ / 予測誤差 / 覚醒ポテンシャル / 音楽 / fMRI / 情報理論 / 不確かさ / 生成モデル |
研究開始時の研究の概要 |
未知なるものに対する不確かさは期待や不安を、そして経験による不確かさの減少は驚きや安心をもたらす。本研究では、情報量として表す不確かさを用いて、感情の次元である覚醒度と感情価を一般的に説明する数理モデルを開発する。そして、脳の情報処理プロセスにおける情報量の変化と感情との関係を明らかにする。提案モデルの解析と認知神経科学的な実証実験により、不確かさの変化が感情次元に及ぼす影響を解明する。これにより、情報量を基礎とした感情の数学的原理を究明する。音楽と感情喚起画像を用いた実験からモデルの妥当性を検証する。さらに、感情モデルにもとづく形状の美的好みの評価関数を構築し逆問題へ応用する。
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研究成果の概要 |
不確かさの情報量表現である自由エネルギー(以下、F)を用いて、感情の次元を一般的に説明する数理モデルを開発した。Fが新奇性と複雑さの認識がもたらす情報量の和として解釈できることから、これを覚醒度の指標として位置づけた。これを用いて、適度な覚醒度が快を最大にする覚醒ポテンシャル理論、およびリフレーミングにおける興味の感情を数理的にモデル化した。 定式化した感情モデルの妥当性を、音楽刺激を用いた被験者実験、およびカードマジック映像刺激を用いたfMRI脳計測実験により検証した。 さらに、感情モデルの逆問題への応用として、新奇性と複雑さを操作可能な美的形状生成システムを開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳が計算する予測誤差の情報量表現である自由エネルギーを用いて、感情の基本次元である覚醒度と感情価を一般的に数理モデル化した本研究の成果は過去に例を見ない。本研究で提案し検証された感情次元の数理モデルは、感情のメカニズムの解明、感情の予測、さらには生成モデルとしての応用が可能である。よって、感情に関わる科学、工学において広く基盤的な知識を提供する。 感情の数理モデルを計算機に実装することにより、ヒトの感情を推論し人の感情に配慮した新たな工学システム開発への応用が期待される。一般的な機械学習と異なり、提案モデルは仕組みの理解が可能なホワイトボックスモデルであるため検証と原因究明が可能となる。
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