研究課題/領域番号 |
21H03556
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62020:ウェブ情報学およびサービス情報学関連
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研究機関 | 岡山大学 (2022-2023) 京都大学 (2021) |
研究代表者 |
林 冬惠 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 准教授 (90534131)
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研究分担者 |
村上 陽平 立命館大学, 情報理工学部, 准教授 (00435786)
大谷 雅之 近畿大学, 理工学部, 講師 (00782682)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | Internet of Things / Webサービス / 強化学習 / マルチエージェント強化学習 / サービス基盤 / マルチエージェントシステム / IoTサービス基盤 / サービスコンピューティング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、インターネット上のWebサービスと物理世界のデバイスを相互運用可能なInternet of Things (IoT) サービス基盤を実現し、利用者の状況に応じたサービス環境を自律的に構築することを目的とする。具体的には、まず、サービスオントロジーを構築することによって多種多様なWebサービスとIoTデバイスとの相互接続と運用を可能とする。次に、IoTサービスネットワーク及びサーバネットワークの自律的再構成アルゴリズムを開発し、IoTサービ基盤の自己組織化を実現する。
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研究実績の概要 |
本研究は、「IoTサービス基盤の相互運用性の保証」と「IoTサービス基盤の自己組織化の実現」といった2つ研究項目から構成され、理論研究と共にIoTサービス基盤に関する実証研究を実施する計画である。令和4年度では、以下の項目を実施した。 基盤研究課題1の「IoTサービス基盤の相互運用性の保証」では、これまでに、各種IoTデバイスとインターネット上のWebサービスを相互運用可能なIoTサービス基盤のアーキテクチャを構築してきた。令和4年度では、IoTサービス基盤の分散運用に向けて、独立して運用されているIoTサービス基盤を接続してIoTサービスを共有するための機構を実装した。具体的には、これまでに開発したIoTサービス基盤において、ユーザ管理機能や基盤ノードの管理機能を実現し、センサやアクチュエータ、複合イベント処理といった3種類のIoTサービスの管理機能や情報共有機能を実現した。 基盤研究課題2の「IoTサービス基盤の自己組織化の実現」では、これまでに、IoTサービス基盤における様々な動的変化への対応に焦点を当ててきた。令和4年度では、IoTアプリケーションに関わるタスクを分散化されたIoTサービス基盤に割り当てる場面を中心に研究し、価値分解ネットワークに基づく強化学習手法を提案した。具体的には、分散基盤の遅延とエネルギーの消費量を最小化する全体価値関数を各々の基盤の局所価値関数に分解し、各々の基盤が局所的にタスク割り当ての方策を学習する手法を実現した。 実証研究では、IoTサービス基盤におけるタスクオフローディングの具体例を想定した実験を実施し、自己組織化されたIoTサービス基盤の性能に関する有効性を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基盤研究課題の「IoTサービス基盤の相互運用性の保証」と「IoTサービス基盤の自己組織化の実現」では、IoTサービス基盤の分散運用に向けて、相互運用機能の拡張や自己組織化アルゴリズムの開発に関する研究を実施し、その成果についてIEICE英文誌において複数の論文を発表した。現時点で得られたこれらの成果は、それぞれの研究項目に関して当初の目標を達成したと考える。また、実証研究においても、IoTサービス基盤におけるタスクオフローディングに関する実験を実施し効果を示した。 以上より、本研究はおおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
基盤研究課題1の「IoTサービス基盤の相互運用性の保証」では、IoTサービス基盤の分散運用に向けて、独立して運用されているIoTサービス基盤を連携する機構を強化し、Githubに公開する。 基盤研究課題2の「IoTサービス基盤の自己組織化の実現」では、IoTサービス基盤における様々な動的変化に対応するため、継続的にマルチエージェント強化学習の手法を用いて、サーバネットワークを自律的に再構成するアルゴリズムを開発し、分散IoTサービス基盤へ適用する。 実証研究では、複数の基盤に跨るIoTサービスとAIサービスの連携事例を想定し、IoTサービス基盤間連携の実証実験を中心に進める。
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