研究課題/領域番号 |
21H03566
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62030:学習支援システム関連
|
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
植木 賢 鳥取大学, 医学部, 教授 (60542256)
|
研究分担者 |
近藤 克哉 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (00295750)
上原 一剛 米子工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (10324998)
高橋 洋一 鳥取大学, 医学部, 助教 (40594271)
藤井 政至 鳥取大学, 医学部, 特任教員 (40762258)
三好 雅之 鳥取大学, 教育支援・国際交流推進機構, 准教授 (60632966)
磯本 一 鳥取大学, 医学部, 教授 (90322304)
古賀 敦朗 鳥取大学, 研究推進機構, 准教授 (90563891)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
|
キーワード | 大腸内視鏡 / シミュレーター / 圧力センサー / シミュレータ / 圧力検出機能 / 画像解析 / 手技の定量化 / 音声指導 / 内視鏡シミュレータ / 手技評価 / 会話分析 / ロボット |
研究開始時の研究の概要 |
大腸がんの死亡数は増加しており、女性のがん死亡数の1位となっている。大腸がんの予防・治療として内視鏡検査の重要性が高まっているが、検査者が未熟であると腸が伸びて痛みが強くなり、さらに穴があく危険性があること等が課題となっている。内視鏡専門医制度では、未熟な検査者かどうかを定量的に評価することができていない。大腸内視鏡の欠点である痛みと穴があくことを防ぐため、本研究では、これまで開発した押圧力を評価できる上部消化管内視鏡シミュレータロボットを基盤に、内視鏡操作中の画像ならびに音声を分析する機能を加え、個人でも効果的に訓練できる学習支援システム:大腸内視鏡シミュレータシステムを創出する。
|
研究実績の概要 |
本研究では、主に(A)画像解析機能を搭載した試作モデルの作製、(B)言語解析ツールの開発、(C)臨床研究による有用性評価、設計変更と製品化を行う。特に2年目となる2022年度は、画像解析機能を搭載したモデルの作製と、音声システムの開発を行い、製品化モデルへの実装を行うことを目指した。 2022年度は、これまで作製した押圧値を定量化できる上部消化管用シミュレータロボット“ミコト”を基盤に、さらなる機能を加え医師の内視鏡手技を定量化できるシステムの開発を行なった。具体的には、(A)では、内視鏡の挿入によりS字状結腸の伸びの程度を画像分析により計測した。より正確に計測するため、前額面と矢状面のS状結腸の偏位を撮像し評価した。また、シミュレータ内部に設置した圧力センサー情報も組み合わせて内視鏡手技の定量化を実現した。(B)では、当初学習者と指導医の会話をジェファーソン会話分析に沿って記録する言語解析ツールの開発を目指していたが、様々な医療機関の医師のユーザー調査も行い、上記(A)で定量化した情報に基づき、自動で指導を行う音声ツールがより有効であることが判明した。そこで、シミュレータに加わるストレスを擬人化してフィードバックできるシステムを作成し、初学者および専門医の手技の習熟度を定量化できる新規シミュレータ(C)を作製した。造形では、大腸の形状や質感に合わせて柔らかい素材を用い、大腸ポリープを配置した。また、手技の点数評価のみならず、S状結腸-下行結腸曲の位置を上下させて手技の難易度を3段階に変更可能にした。さらに、動画保存機能により、手技の振り返りや自己学習ができるシステムとした。最終年度である2023年度の評価に向けて、実機の作製が完成した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究では、これまで研究してきたシミュレータにさらなる機能を加え、医師の内視鏡手技を定量化できるシステムを開発し、上市ならびに評価を行うことを目的としている。機器の改良開発が予定よりも早く進み、耐久性試験や精度の確認を行って、2023年度の前半には製品化・上市できる方針となった。このことにより、多くの施設での活用が進むことも期待される。
|
今後の研究の推進方策 |
最終年度の目標である手技の習熟度を定量化するための試験を実施できる機器が完成し、体制が整ったため、今後、初学者および専門医の手技に関する評価を行う予定である。
|