研究課題/領域番号 |
21H03576
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高橋 けんし 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (10303596)
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研究分担者 |
東 若菜 神戸大学, 農学研究科, 助教 (20780761)
坂部 綾香 京都大学, 農学研究科, 助教 (40757936)
伊藤 雅之 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (70456820)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
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キーワード | メタン / 湿地生態系 / フラックス / 短時間強雨 / レーザー計測 / メタンガス / 湿地 / 樹木 / 土壌 |
研究開始時の研究の概要 |
湿地生態系は大気中に放出されるCH4総量の約1/3を占める、自然起源としては最大の発生源であるとされている。本研究では、近年、その発生頻度が増加傾向にあるとみられている短時間強雨イベントが、湿地生態系からの突発的なCH4放出を誘発する現象に注目し、①CH4放出量の定量的な評価法の確立、②土壌環境および植物生態に着目した発生メカニズムの解明、を行うことを目指す。レーザー吸収法による放出量のin-situなリアルタイム計測と、培養実験や樹液流計測を研究手法の軸とし、異なる専門分野の研究者どおしが連携して研究を推進する。
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研究成果の概要 |
本研究では、湿地性樹木の一つであるハンノキからのメタン放出の季節性および日周変動特性を半導体レーザー分光法と自動開閉チャンバーを組み合わせたシステムで計測した。観測されたフラックスと樹液流速との比較、細根組織の顕微鏡観察を通して、樹体内部のメタン輸送メカニズムを明らかにした。さらに、CH4フラックスの連続データを詳しく解析したところ、大雨によってハンノキからのCH4放出量が過渡的に増大する現象を見出した。湿地生態系からのCH4放出が年サイクルレベルでの気候値のみで決定されるのではなく、短時間強雨などの極端な気象現象にも大きく影響を受けることを定量的に示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
メタンガスは二酸化炭素に次ぐ放射強制力を持つ重要な温室効果気体である.最近見つかったメタン発生源としての湿地性樹木に着目し,放出量を定量化するレーザー計測技術を開発するとともに,放出量の季節変動や気象要素に対する応答を明らかにした.大気中のメタンガス収支の精緻化に貢献する重要な成果である.
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