研究課題/領域番号 |
21H03594
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
高橋 和也 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 特別嘱託研究員 (70221356)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
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キーワード | 硫黄同位体比 / 非質量依存同位体効果 / 氷床コア / 硫黄の循環 / 環境変動 / 非質量依存同位体分別効果 / 氷床コア試料 / 環境動態解析 / 非質量依存同位体変動 / 火山シグナル / 非質量依存同位体分別 / 硫黄同位体 / アイスコア / 成層圏火山噴火 / 気候変動 |
研究開始時の研究の概要 |
硫黄同位体比(δ34S)分析装置を改造し、δ34S、δ33Sの同時高感度分析(非質量依存同位体分別効果の連続解析)を氷床コア試料において実現する。 過去2,000分の降雪に対応する浅層コアについて、1年以下の時間分解能で解析を行う。火山噴火シグナルにおいてはδ34S、δ33Sの変動の位相差、硫酸イオン濃度変動との時間差を解析し、各火山噴火の規模と極域との位置関係を硫黄同位体比からパラメータ化し、気候変動との関連について考察する。火山噴火シグナルに関係しない硫黄同位体比変動では、成層圏成分の降着現象や沿岸域からの気団流入など物質移動に関わる事象を明らかにし、気候・環境変動と結びつけた解析を行う。
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研究実績の概要 |
応募者が確立した世界最高感度レベルの硫黄同位体比(δ34S)分析システムを改造し、δ34S、δ33Sの同時高感度分析(非質量依存同位体分別効果の連続解析) を氷床コア試料において実現する事をまず第一段階の目標とした。2021年度においては、安定同位体分析装置の検出系を改 造し、硫黄同位体比分析をSO2+及びSO+の2種類のフラグメントイオンで分析出来るシステムを構築した。引き続き、2022年度においてはまず、IAEA-SO5、IAEA-SO6及びNIST127の3つの硫黄同位対比用標準試料を用いて、システムの安定性をチェックするとともに、観測値からδ34S、δ33Sを得るための校正方法の確立を行った。すなわち、観測値(生データ)はδ50S、δ49Sとして得られるが、この値からそれぞれ、CDT値としてのδ34S、δ33Sを得るための校正式を求めることに成功した。世界的にδ34S、δ33S分析の権威であるSavarino博士(仏グルノーブル大)より、非質量依存同位体分別効果(Δ33S)が保証されている標準試料(S-MIF-1)を譲り受け、我々の分析方法が妥当であるたことを確認した。また、氷床コア試料といった、微量の硫黄成分の同位体分析への応用において、分析システム内のバックグラウンド低下は必須の課題であるが、方法論としてほぼ克服することができたと考えている。現在、その成果を報告論文としてまとめているところである。 また、上記のように改造された検出システムにより、従来より実施してきたδ34S分析の精度が飛躍的に向上したことを受けて、天然鉱物の分析も実施した。 今後は、2022年度までの成果を基に、コア試料分析の開始への道筋をつけたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年以来のポストコロナにおけるサプライチェーンの混乱、さらには2022年当初のウクライナ戦争による資源不足などにより、硫黄同位体分析に必須な試薬、元素分析計のスペアパーツ、電子部品等の供給不安が顕在化しており、実験の遂行に影響が現れている。その顕著な例が、高純度ヘリウムガス、水トラップ充填剤(五酸化二リン)、検出計プリアンプ用高抵抗である。高純度ヘリウムについては納品業者と年間供給計画を策定したため、多少は安定的な状態になってきたが、後者の試薬と電子部品に関しては全く納期が見込めない状態であり、分析作業の順調な遂行を妨げている。 本来は2022年度中に氷床コア分析を開始するところであったが、手持ちの試薬と機材の在庫状態から分析個数に制限を設けざるを得ず、氷床コア分析の開始は半年程度遅れるものと推測している。供給会社には一刻も早く供給状況を改善するよう要望しているところである。
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今後の研究の推進方策 |
分析用の試薬、分析機器のスペアパーツ類の供給状態の改善については昨年度中から担当業者と相談し、計画的な発注で何とか切り抜けるよう努力している。研究自体に関しては、方法論そのものは既に確立できたので、後は、氷床コア分析の開始に努めていきたい。
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