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内因性ホルムアルデヒドの蓄積に起因する疾病

研究課題

研究課題/領域番号 21H03603
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 小区分63030:化学物質影響関連
研究機関大阪公立大学 (2022-2023)
大阪府立大学 (2021)

研究代表者

中村 純  大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 客員研究員 (90804518)

研究分担者 岡田 利也  大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 教授 (00169111)
井澤 武史  大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 准教授 (20580369)
片平 じゅん  大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 准教授 (30263312)
川西 優喜  大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (70332963)
中島 崇行  大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 准教授 (30333644)
佐々木 光穂  国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 創薬資源研究支援センター, プロジェクト研究員 (20432536)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
キーワードホルムアルデヒド / ALDH2 / ADH5 / M2FA / 付加体
研究開始時の研究の概要

ホルムアルデヒドは動物組織などを固定保存する試薬であり、吸入暴露によりヒトに癌を引き起こす物質としても知られている。一方、ヒトの体内の様々な代謝反応において相当量のホルムアルデヒドが産生されているが、その内因性のホルムアルデヒドの悪影響はほとんど理解されていない。われわれは、機能不全型アルデヒド脱水素酵素2であるALDH2*2アレルを持つ人に多く認められるアルコール非依存性の加齢性疾患が内因性ホルムアルデヒドの蓄積によるものではないかと考え、マウスモデルを用いそれを検証する。

研究実績の概要

内因性のホルムアルデヒドの影響を理解するために細胞培養液および血液中のホルムアルデヒド濃度を簡便に測定する方法を確立した。いくつかの誘導体化剤からDimedoneを選択し、マイルドな反応条件下での誘導体化とHPLC-UVを用いた比較的感度の良い方法を確立することができた。この方法を用いて野生型C57BL/6Nマウスの血漿中の内因性ホルムアルデヒドを定量することに成功した。今後、現在作製中のAlcohol dehydrogenase 5 (Adh5)/Aldehyde dehydrogenase 2 (Aldh2) 両遺伝子機能不全マウスの内因性ホルムアルデヒドの測定を行う予定である。また、ADH5のコンディショナルノックアウトマウス作出を目的として、スプライシングアクセプター(SA)、internal ribosome entry site(IRES)、LacZ遺伝子、loxP配列、ヒトβアクチンプロモーター、ネオマイシン耐性遺伝子をFRT配列に挟んだカセットを第2イントロンの中に、さらに第3エキソンをloxP配列で挟みこんだゲノム構造をもつADH5-Tm1aマウスの凍結精子をイギリスMary Lyon Centreから導入し、体外受精により個体の作出を行なった。また、FRT配列で挟み込んだカセットを取り除くために、組換え酵素flippaseを発現するトランスジェニックマウスの凍結精子を、理化学研究所バイオリソース研究センターから導入し、体外受精により個体の作出を行なった。得られたこれらのマウスを交配し、FRT配列で挟み込んだカセットが取り除かれ、ADH5のコンディショナルノックアウトマウス作出のために第3エキソンをloxP配列で挟みこんだゲノム構造をもつADH5-Tm1cマウスを作出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

細胞内のホルムアルデヒドの付加体検出のための市販抗体を購入し、ホルムアルデヒドの局在を明らかにする実験を行う予定であった。しかし、市販抗体が入手困難になった連絡が入った。そこで、代替法としてホルムアルデヒドの付加体抗原を作製しその抗原を用いて抗体を作製した。そのため研究の遂行がやや遅延した。

今後の研究の推進方策

細胞内のホルムアルデヒド(FA)は主にグルタチオン(GSH)依存性に働くアルコール脱水素酵素5(ADH5)によって解毒される。さらに、細胞内のFAを解毒するバックアップ酵素のALDH2が存在する。そこで、ヒト型のALDH2の不活性型遺伝子多型ALDH2*2アレルを持つマウス(Aldh2 KIマウス)とヒト型のADH5の不活性型遺伝子変異を持つマウス(Adh5 KIマウス)を交配させ、両遺伝子にヒト型遺伝子変異をノックインさせたマウスに発現する病態を解析する。

報告書

(2件)
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [国際共同研究] University of North Carolina ah CH(米国)

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] Alcohol dehydrogenase-mediated activation of glycidol leads to the generation of DNA-crosslinking metabolites2022

    • 著者名/発表者名
      Yuya Fujia, Jun Nakamura, Zhenfa Zhang, Tomonari Matuda, Masanobu Kawanisi
    • 学会等名
      13th International Conference on Environmental Mutagens, Ottawa, Canada
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書 2021 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)と Glycidol の反応代謝物による新規 DNA 鎖間架橋形成経路に関する研究2022

    • 著者名/発表者名
      藤田優也、中村純、Zhenfa Zhang、松田智成、高田穣、川西優喜
    • 学会等名
      日本環境変異原ゲノム学会・変異機構研究会・夏の学校
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] アルコールデヒドロゲナーゼとGlycidolから生成される反応代謝物のDNA架橋形成能評価2022

    • 著者名/発表者名
      藤田優也, 中村純, Zhang Zhenfa, 松田知成, 川西 優喜
    • 学会等名
      日本放射線影響学会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書 2021 実績報告書
  • [学会発表] アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)を介した新規 DNA 鎖間架橋形成経路に関する研究2022

    • 著者名/発表者名
      藤田優也, 中村純, Zhang Zhenfa, 松田知成, 高田穣, 川西 優喜
    • 学会等名
      日本環境変異原ゲノム学会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書 2021 実績報告書
  • [学会発表] 電子タバコのべーパーなどに含まれるグリシドールが代謝活性化され DNA 鎖間架橋を誘導する2022

    • 著者名/発表者名
      中村純、藤田優也、松田知成、川西優喜
    • 学会等名
      日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書 2021 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)と Glycidol の反応代謝物による新規 DNA 鎖間架橋形成経路に関する研究2022

    • 著者名/発表者名
      藤田優也、中村純、Zhenfa Zhang、松田智成、高田穣、川西 優喜
    • 学会等名
      変異機構研究会・第33回夏の学校
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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