研究課題/領域番号 |
21H03611
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63040:環境影響評価関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
田中 大祐 富山大学, 学術研究部理学系, 教授 (40360804)
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研究分担者 |
藤吉 奏 広島大学, IDEC国際連携機構:PHIS, 助教 (20805808)
丸山 史人 広島大学, IDEC国際連携機構:PHIS, 教授 (30423122)
加賀谷 重浩 富山大学, 学術研究部工学系, 教授 (50272894)
木全 恵子 富山県衛生研究所, 細菌部, 副主幹研究員 (50360805)
金谷 潤一 富山県衛生研究所, 細菌部, 主任研究員 (80463131)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
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キーワード | バイオエアロゾル / モニタリング / 粒径 / 微生物 / 動態 |
研究開始時の研究の概要 |
大気試料の粒径別サンプリングと分子生物学的手法を用いた微生物群集の解析を行い,粒径や化学成分との関係,季節変化,影響を把握する。また,大気から培養法を用いてレジオネラ属菌とクロストリジウム属菌の単離・同定,血清型別等を行った後,全ゲノム解析により病原細菌10株程度についてその機能を解明する。本研究を進めることで,バイオエアロゾル研究と共に公衆衛生にも貢献する。
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研究実績の概要 |
本研究では大気中のバイオエアロゾルに含まれる細菌や真菌などの微生物について,粒径や化学成分との関係,季節変化などに着目して把握するとともに,ヒトの健康などに影響を及ぼす可能性を探ることを目的としている。富山大学理学部屋上で,全国でのPM2.5の成分分析調査時期(4季節:5月,7月,10月, 1月)にPM2.5サンプリング装置で粗大粒子(SPM-PM2.5)と微小粒子(PM2.5)に分けて捕集した。それらの試料について,真核生物の18S rRNA遺伝子をPCRで増幅した後,高速シークエンサー(Illumina MiSeq)により網羅的に塩基配列を決定することでメタゲノム解析を行った。その結果、真核生物群集は真菌類(Basidiomycota門,Ascomycota門), 緑色植物(Streptophyta門),原生生物(Apicomplexa門)が主要であり、優占する真核生物は季節や粒径により異なることが分かった。一方,富山大学理学部屋上で大気試料を濾過捕集し,Clostridium (クロストリジウム) 属の細菌の培養法での検出を行った。本菌は,土壌,水環境,哺乳類の下部消化管などの低酸素環境に広く分布する偏性嫌気性で,カタラーゼ陰性,オキシダーゼ陰性,芽胞(胞子)形成性のグラム陽性桿菌である。いくつかの種のClostridiumは,毒素産生し,ヒトに対して病原性を有する。本研究では,培養可能なClostridiumを24株単離できた。さらに、16S rRNA遺伝子塩基配列やゲノム配列の比較に基づく系統解析を行った結果、主要な菌種を把握できるとともに,それらの季節変化が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は,富山大学理学部屋上にて捕集した大気試料について,リアルタイムPCR法を用いた全真菌の定量、高速シークエンサーを用いた真核生物群集構造解析を行った。また,濾過捕集した大気試料からクロストリジウム属菌を培養法にて単離し,同定するとともに,ドラフトゲノム配列の解析を進め,大気バイオエアロゾルシンポジウムで発表した。さらに,細菌群集構造と化学組成の関係について発表できるよう,データを纏めてきている。
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今後の研究の推進方策 |
PM2.5サンプリング装置で捕集した大気試料について,得られた細菌群集構造や真核生物群集構造のデータについて情報解析を進める。また,大気試料から単離したクロストリジウム属菌について,ドラフトゲノムの解析をさらに進める。細菌群集構造と化学組成の関係については論文で発表することを計画している。
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