研究課題/領域番号 |
21H03623
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64010:環境負荷およびリスク評価管理関連
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
大野 剛 学習院大学, 理学部, 教授 (40452007)
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研究分担者 |
深海 雄介 学習院大学, 理学部, 助教 (10754418)
伊地知 雄太 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任研究員 (10911258)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | 水銀 / 同位体 / 同位体分別 / MIF / 水銀同位体 / 光化学反応 / 非質量依存 / 表層環境 / pH / 波長 |
研究開始時の研究の概要 |
水銀は揮発しやすい化学的性質により、全地球規模での汚染が問題となっている。大気・水圏における水銀循環を理解することは、人への影響を低減していくために重要である。近年、水銀汚染の起源を調べるために、水銀の同位体比が注目されている。水銀の同位体比は起源物質の違いのみならず、自然界での化学反応において固有の同位体選択的反応が起こるため、水銀循環を調べる指標として有用と考えられる。しかし、全地球規模での水銀の同位体比変動のメカニズムについては未だ不明な点が多い。本研究では、自然界で観察される水銀同位体比変動のメカニズムを解明し、水銀の大気汚染の変遷と海洋汚染の解析に応用することを目指す。
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研究成果の概要 |
水銀は人体に有害な元素であり、全地球規模での汚染が問題となっている。水銀の汚染源を解析するための研究手法として、水銀の質量に依存しない同位体分別(MIF)が注目されている。しかし、自然界で起こる水銀MIFの要因については、これまで十分に理解されていなかった。本研究では、自然界の水銀同位体分別機構について、水圏環境では光還元の際に発生したOHラジカルと水銀奇数同位体がもつ核スピンが水銀奇数同位体の反応速度に影響を与えていることが示唆された。また、大気圏での水銀偶数同位体MIFは水銀の光酸化還元反応により引き起こされ、偶数同位体選択的反応は特定の紫外線波長によって引き起こされることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水銀は人体に有害であり、揮発しやすい化学的性質により、世界的に汚染が広がるため問題となっている。また、水銀は生物に濃縮し、食物連鎖を通して大型魚に濃縮し、人体に影響を与えることが懸念されており、人への暴露経路となる大気・水圏における水銀循環の理解は、人への影響を低減していくために重要な研究課題である。本研究では、水銀の質量に依存しない同位体組成の変動に注目し、水銀の汚染源を同位体の比率から調べるための研究手法を開発した。
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