研究課題/領域番号 |
21H03630
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64020:環境負荷低減技術および保全修復技術関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
小林 剛 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 准教授 (60293172)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
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キーワード | 土壌浄化技術 / 高濃度有機塩素化合物 / 粘性土壌への浸潤 / 加温浄化 / 本質安全管理 / 揮発性有機塩素化合物 / 加熱浄化 |
研究開始時の研究の概要 |
揮発性有機塩素化合物は、クリーニングや機械部品の脱脂洗浄などに大量に用いられたが、過去の漏洩や廃液投棄等による土壌汚染が多数顕在化している。多くの事業所では汚染調査ができず、社会には数万箇所の高濃度汚染が潜在すると考えられる。放置期間が長いほど地下浸透して、浄化困難な粘性土中に浸潤する。本研究では、液状有機塩素化合物の粘性土への浸潤の経時変化を測定・解析する。また、粘性土からの効率的な浄化技術の開発のために、高温加熱等の粘性土中からの溶出促進効果を測定・解析する。更に実汚染現場への加温等浄化技術の適用を検討するとともに、汚染が拡散せずリバウンドの問題もない本質安全な浄化終了判定手法を検討する。
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研究成果の概要 |
揮発性有機塩素化合物(CVOC)は過去に大量に使用され、多数の土壌汚染が顕在化しているが、未調査で高濃度のまま放置する事業所も多い。放置期間が長いと粘性土の奧に浸潤してより浄化困難となる。 本研究では、粘性土中CVOCの浄化のために、加温(一定加温、局所加温)や、エタノール溶液や超音波の利用による溶出促進実験を行った。一定加温による溶出促進が最も効果が高く、浄化期間を数分の1に短縮できる可能性や、25%エタノール水溶液で更に加速できることも示唆された。実験で得たパラメータを用いて、汚染放置時の粘性土への浸潤挙動や、浄化時の本質安全な浄化終了判定に活用できる計算シートを作成、提案することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
社会に数万も潜在して調査もされずに放置されている高濃度CVOC土壌汚染について、汚染を放置するとより深刻な浄化困難な状況になることを定量的に予測できる計算シートを作成できた。また、加温やエタノールなどを用いた溶出促進実験結果から、土壌や汚染物質の溶出メカニズムを考察することができた。更に浄化困難となった粘性土中のCVOCを数分の1の浄化期間で浄化する新たな技術を提案するとともに、浄化効果を予測したり、浄化終了時期を判断したりできる計算シートを作成、提案することができた。これらのツールの活用することにより、汚染の早期の調査や、効率的な浄化の推進に役立てられると考えられる。
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