研究課題/領域番号 |
21H03683
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
高岡 豊 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 研究員 (10638711)
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研究分担者 |
青木 健太 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 研究員 (10769277)
青山 弘之 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (60450516)
末近 浩太 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (70434701)
山尾 大 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (80598706)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | 非国家武装主体 / シリア / イラン / レバノン / イラク / 中東 / 部族 / 国家建設 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、レバノン、シリア、イラクの紛争とポスト紛争期の国家建設での非国家武装主 体の越境的活動の実態について、現地語資料の解析を主とする地域研究の手法を用いて解明する。これらの諸国では、各々固有の状況の中で非国家武装主体が重要な役割を果たしているが、非国家武装主体の一部がイランの対外政策を反映して越境的に活動し、複数の国での紛争に関与している。本研究では、主に中東諸国の政治研究で広く用いられる要人名簿の作成を通して各国での非国家武装主体の動向を分析することを「縦糸」に、各々の国と非国家武装主体についてのイランの対外政策の分析を「横糸」にして、各国の非国家武装主体の固有性と共通性を解明する。
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研究成果の概要 |
非国家武装主体の活動の実態を解明するため、研究対象国(イラン、イラク、シリア、レバノン)の国会議員名簿を整備し、イランとシリアについては名簿をオンラインで公開した。 イランはレバノン、シリア、イラクの各々で地域の実情や現場で求められる任務に応じて様々な「親イラン民兵」を育成した。これらの民兵の多くは、シリア紛争に参加した。本研究の成果としてシリア紛争での民兵の活動の実態を解明した著作『シリア紛争と民兵』(日本語)を刊行し、非国家武装主体の動員、彼らによる統治、関係各国による民兵の統制に試みについての研究成果を発信した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
イランがアラブ諸国で「親イラン民兵」を育成することは宗派紛争の中での振る舞いと考えられがちだったが、本研究は非国家武装主体の活動地域の状況を「縦糸」、非国家武装主体についてのイランの対外政策を「横糸」ととらえて分析した。これにより、「親イラン民兵」が、様々な宗教・宗派集団、部族のような地縁血縁集団、政治・経済集団などからも動員されていることが明らかになった。また、個々の民兵の行動も自らの利害関係、活動地の政府との関係、イランを含む関係国の政策によって行動が規定されていることが判明した。本研究により、アラブ諸国での非国家武装主体を分析する新たな視点と枠組みが提起できた。
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