研究課題/領域番号 |
21H03687
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 大東文化大学 (2023) 京都大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
倉島 孝行 大東文化大学, 国際関係学部, 准教授 (20533011)
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研究分担者 |
葉山 アツコ 久留米大学, 経済学部, 教授 (30421324)
柳澤 雅之 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 准教授 (80314269)
竹田 晋也 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (90212026)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 自然資源管理 / 農山村 / 東南アジア / 国際開発援助 / 地球環境問題 / 森林保全 / 住民林業 / 共有資源 / 農山村社会 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は東南アジア地域を例に、コミュニティ林業(CF)をめぐる国際潮流と各国の政治経済変動とを勘案しつつ、各農山村でのCFの実態を解明し比較、複数のCFの並存に向けた各道筋を議論し、導き出すものである。1990年代以降、先住民支援組織等は、科学よりも伝統知を軸とする森林管理を唱え、地方への管理権限の大幅移譲を求めて運動を行ってきた。一方、逆にグローバル資本主義下の炭素取引市場に、CFを組み入れようとする組織も2000年代に現れた。本研究では、複数の選択肢の存在が政治経済変動の続く東南アジアの農山村民にとって好ましいという前提に立ち、各国CFの特色を解明し、多元化への道筋を諸関係者と考えて示す。
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研究実績の概要 |
初年度であった2021年度は新型コロナウィルス感染症流行の影響で、予定した現地調査が全くできず、研究資金もほぼ全額繰り越した。2年目の2022年度はその繰越資金を使用し、タイやフィリピンで前年度に行う予定だった現地調査等を行った。一方、ベトナムでは同感染症の影響が一部残っていたため、現地調査を見合わせ、国内で文献調査等を進めた。ミャンマーは感染症よりも政治的混乱の影響で、現地調査が不可能になったため、将来的に事態が鎮静化することを待つ対応をとらざる得なかった。カンボジアは主に別予算で、補足研究を行ったので、その成果は代表者の別科研の報告書に記載した。 以下、タイとフィリピン、ベトナムに関する研究実績の概要を報告する。 タイに関わる研究・調査では、バンコクやチェンマイの有力大学等で、関連分野の現地語資料の検索・収集を進めた。また、北部と東北部の農山村域を広く廻り、複数のコミュニティ林地等を踏査調査するとともに、それらの管理のあり方や成立経緯などについて、現地住民等から情報収集を行った。その結果、現在も検討中ではあるものの、今年度以降、集中的に現地調査を進める候補地が絞り込めつつある。 フィリピンでは、先祖伝来の土地を先住民族の権利空間として認める法律制定から四半世紀を経たが、その担当部局である国家先住民族委員会で現状に関する聞き取り調査、ルソン島オーロラ州で狩猟採集民コミュニティに付与された権利空間における森林資源管理の実態に関する聞き取り調査を行った。 ベトナムについては、その国家的な森林・土地管理の特色を俯瞰的かつ歴史的に捉えるために、有益なフィールドノートの精査を行った。古川久雄(京都大学名誉教授)が1980年代にインドネシア・メラネシア・オーストラリアで実施したフィールドワークに基づきまとめた記録をもとに、当時の資源利用を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究課題はタイ、カンボジア、ミャンマー、ベトナム、フィリピン等で現地調査を行い、その成果をまとめることを柱としている。 研究初年度はもとより、2年目においても、新型コロナウィルス感染症流行の影響で、現地調査が予定通り、できていない。 当初の研究期間を延長して必要な現地調査を実施し、それらの成果をまとめることも現在、検討中であるが、現状では上記感染症の影響が大きく響き、研究が大幅に遅れているとせざる得ない。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は当初、3年の研究期間を見込んでいたが、少なくとも1年は延長し、それによって当初の内容をある程度、達成する計画に変更する可能性が高い。 具体的には繰り越した昨年度分の研究資金で、引き続きタイ、フィリピンで現地調査を行い、ベトナムとミャンマーでも現地調査を開始する予定である。 仮に来年度まで研究期間の延長が認められれば、来年度も一部、引き続き現地調査を行うとともに、各国事例をより良く比較しまとめるために、特定の国で合同調査とワークショップを行い、全体とそれぞれの成果をまとめる計画である。
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