研究課題/領域番号 |
21H03703
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 京都大学 (2023) 総合地球環境学研究所 (2021-2022) |
研究代表者 |
河野 元子 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 連携准教授 (80552017)
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研究分担者 |
中西 嘉宏 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 准教授 (80452366)
永井 史男 大阪公立大学, 大学院法学研究科, 教授 (10281106)
左右田 直規 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (30345318)
宮田 敏之 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (70309516)
森下 明子 立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (40822739)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2022年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2021年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | 地域研究 / インド太平洋概念 / 海洋秩序 / アンダマン・マラッカ海峡 / 地政学 / インド・太平洋構想 / ボトムアップ型検証 |
研究開始時の研究の概要 |
「インド・太平洋」という概念は、広大な海を構成する各海洋を精査して組み上げられたものではない。本研究では、ボトムアップ型の視点から「インド太平洋」という戦略概念を検証しつつ、その構想と実態に、どの程度整合性があるのか、齟齬をきたしているのか。また、現実とのギャップを踏まえつつ、どういった「海の秩序」の構想が望ましいのか、アンダマン・マラッカ海域を対象に、インドネシア、マレーシア、タイ、ミャンマーの4カ国の関係とその変容の歴史を、経済関係、安全保障、国境ガバナンスの3つの観点から考察し、「インド太平洋」という地政学的概念の限界を指摘すると共に、より現実に即した「海の秩序」のための構想を提起する。
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研究実績の概要 |
「インド太平洋」という新しい地域概念構想の背景には、中国への牽制を意識したもので、インド太平洋を実際に構成する海域の検証による構成ではない。本研究では、ボトムアップ型の視点から「インド太平洋」という戦略概念を検証しつつ、その構想と実態に、その整合性の如何、現実とのギャップを踏まえつつ、いかなる「海の秩序」の構想が望ましいのか、アンダマン・マラッカ海峡を対象に、その周辺に位置するマレーシア、タイ、ミャンマー、インドネシア4カ国の関係と変容について現地調査と文献調査をつかって考察することを本研究では目的としている。 初年度2021年度は、①問題意識の共有と先行研究のレヴュー、②予備調査がおもな研究計画であった。①については以下の大きな成果があがった。一年を通して、定例的な研究会を10回以上行った。その内容は、分担者間の問題意識の共有、一方で分担者でカバーできない専門分野、とくに若手研究者の研究報告や意見交換を通じて先行研究や最新研究について知識を得る機会となった。さらに、マレー半島の歴史的発展と社会の変容について厚い研究蓄積のある黒田景子氏(鹿児島大学)の長時間にわたる研究会の実施を通して、マラッカ海峡・アンダマン海をめぐる関係諸国の歴史的展開について多くを学ぶことができた。研究協力者の報告機会を得ることで、歴史、経済発展、国際関係など多岐にわかる考察すべき点と本研究の研究った構想について再検討を加えるよい機会となった。他方で、②の予備調査はコロナ災禍のために行うことができなかった。しかしながら、繰越期間をみとめられたことで、タイ、マレーシアでの研究調査(後者は現地研究者の協力)を実施することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究実績の概要で述べたように、コロナ災禍の影響で現地調査が難しく、当初予定したどおりの研究計画が実行されていない。繰越期間において、フィールド調査の実施もあるが、本格的な現地調査にはなっておらず、現地での研究遂行の如何など研究手法についての検討が不可欠となっている。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ災禍による混乱は、今後ある一定の落ち着きを取り戻すことが予想されるため、できるところからの調査再開をすすめて、現地調査によるデータ取集と分析を試みることは、構成メンバー共通の理解となっている。 一方で、本研究は3年と比較的短い期間を設定したことから、成果については、現地調査に力点を置いた手法と別に、国内で成果をあげることができる手法について検討をしている。
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