研究課題/領域番号 |
21H03706
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高橋 基樹 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 教授 (30273808)
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研究分担者 |
井手上 和代 明治学院大学, 国際学部, 講師 (00838435)
町北 朋洋 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 准教授 (70377042)
福西 隆弘 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 開発研究センター, 主任調査研究員 (80450526)
松原 加奈 東京理科大学, 経営学部国際デザイン経営学科, 助教 (80962547)
山田 肖子 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (90377143)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
13,390千円 (直接経費: 10,300千円、間接経費: 3,090千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | ケニア / ソファ製造業 / 製品の差別化 / 製造業の水平的拡大 / 技術の秘匿 / ナイロビ / 製造業の集積地 / ものづくり集積地 / 革新的な技術とノウハウ / 革新技術共有の開放性 / 知的財産権 / 資本主義的な企業発展 / ものづくり / 技術の移転と模倣 / 包摂性 / 排他性 / 情報に関する相互扶助 / 技術共有 / 開放性と閉鎖性 / 労働者の移籍の自由 / 集積地 / 民族の同一性 / 世代 / デザインの開発 / 職業訓練 / 製造業 / 技術普及 / アフリカ / 模倣 / 革新 / ソファ製造 / 金属加工 / 革靴製造 / インフォーマル・フォーマル部門 / ものづくりの技能と知識 / ジェンダー / エスニシティ / 技術の革新と停滞 |
研究開始時の研究の概要 |
東アフリカでは、地場の中小規模製造企業(ものづくり中小企業)が社会の需要を満たすうえで大きな役割を果たし、その活動が拡大している。アフリカのものづくり中小企業については容易に参入でき、他企業に技術が共有・模倣されやすく、継続性が弱く、、技術は進展しないとの技術の閉鎖性を重視する通説がある。一方、実証に基づき技術の共有や停滞についてこれに反対し、開放性を強調する意見もある。この対立を踏まえ、企業だけでなく、担い手個々人(経営者、労働者)のあり方を主な研究対象とし、その置かれた外部環境と属性・考え方が、技術の共有の開放性や進展に与える影響について明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
ケニアのナイロビに立地するソファ製造業、金属加工業、革靴製造業、エチオピアのアジスアベバに立地する革靴製造業、縫製業を対象事例として、調査を行った。特に、ナイロビのソファ製造業においては製品のデザイン・モデルのユニークさよりも価格が重視されると考えられる低所得層向けの業者の集積地と、製品の多様性と差別化が重視される高所得層向けの業者の集積地とで比較を行った。前者では革新的なデザイン・モデルの共有がおしなべて開放的であったが、後者では多数の業者の間で同様に開放的であった一方で、多数派とは異なる民族帰属の若い業者が自ら開発した新しいデザイン・モデルの情報を暫時秘匿する閉鎖性が見られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を通じて集積地における条件の違いによって、新しい技術の業者間の共有のあり方に差異が見られることが観察された。顧客が価格の安さを製品の仕様より重視するような集積地では、新しい技術の業者間の共有が開放的である。こうした集積地では、一業者が抜きんでて収益性をあげることができにくい。しかし、高価格であってもデザイン・モデルのユニークさを顧客が求める場合には技術の共有が閉鎖的となり、むしろ特定の業者が成長する可能性がある。こうした知見は、個別企業の拡大でなく企業数の増加が生じているアフリカの小規模製造業の水平的な発展経路とそこからの分岐の可能性を解き明かす意味で、大きな学術的・社会的意義を持つ。
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