研究課題/領域番号 |
21H03721
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
五艘 みどり 帝京大学, 経済学部, 准教授 (00508608)
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研究分担者 |
國井 大輔 農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (00599954)
平形 和世 農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (40415633)
山田 耕生 千葉商科大学, サービス創造学部, 准教授 (70350296)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ルーラルツーリズム / イタリア / オーストリア / フランス / 推進組織 / 農村 / 持続性 / 欧州諸国 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、2021年度に日本のルーラルツーリズム実施地域における推進組織の現状把握、2022年度にイタリア・オーストリアにおけるルーラルツーリズムの推進組織の明確化、2023年度にフランスにおけるルーラルツーリズムの推進組織の明確化、および欧州のルーラルツーリズム推進組織の日本への導入可能性の検討を行う。全調査は現地に研究協力組織を得て実施する。また、とりまとめは日本の推進組織を山田、オーストリアの推進組織を平形、フランスの推進組織を國井、イタリアの推進組織および日本への応用可能性の検討を五艘が担当し、役割分担を明確にした体制で研究を遂行する。
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研究実績の概要 |
2022年度は8-9月に、ルーラルツーリズム推進組織の仕組みやコロナ禍での役割を明確にするため、イタリア(南チロル県)とオーストリア(ザルツブルグ、ウィーン)で現地調査を実施した。また2023年度に予定するフランス調査の対象機関と地域を選定するため、3月にフランス農業祭への参加と、フランシュ・コンテ地域とウール・エ・ロワール県で事前調査を行った。さらに、2021年度に延期した国内調査として岩手県八幡平市での調査も実施した。
イタリアとオーストリアでの調査では、ルーラルツーリズム推進組織とその支援を受ける農家へインタビューを実施した。調査結果はとりまとめの段階だが、現時点では両推進組織はともに、コロナ禍という背景において、①各種補助金の相談や申請を支援、②ルーラルツーリズム参入のため用意された多様なセミナーをオンライン化、③リモートワーカーの増加を受けアパートメントタイプへの改修を促進、といったことを迅速に実施したことが明らかになった。また、オーストリアの推進組織は、組織間の繋がりにおいて国・中央・地域といった垂直的連携、農村研修所・農業会議所・観光協会といった地域内の水平的連携がなされており、ルーラルツーリズム参入農家への支援をより実行的にしているということもわかった。
フランスでの調査ではフランス農業祭に行き、自治体やルーラルツーリズム推進組織のブースを回り、組織の取り組みや研究での連携について聞き取りをした。また、フランシュ・コンテ地域とウール・エ・ロワール県へ行き、地域のルーラルツーリズム推進組織と、支援を受ける農家へインタビューを実施した。調査結果はとりまとめの段階であるが、農業の大規模化の影で苦しむ小規模農家の収入をルーラルツーリズムが支えている点や、コロナ禍の都市住民による農村移住がルーラルツーリズム推進組織の新たな課題になっている点などが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス問題が収束傾向で海外への渡航が通常化し、海外調査が円滑に実施できるようになったことで、調査が計画通り進むようになった。しかしながら、現段階はおおむね順調に進展しているものの、ウクライナ問題の長期化で物価高騰や航路の変更は今度も続くと考えられ、2023年は場合によって調査期間や調査時期の変更が起こる可能性もあると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、8-9月にフランスのルーラルツーリズム推進組織と支援農家へのインタビューを実施予定である。2022年度3月の実行可能性調査を受け調査機関をBienvenue a la ferme、Gito de Frane、Accueil Paysanとし、調査地域は条件不利の山間部のアルデシュ県などで検討している。
また2022年度に調査を実施したオーストリア・ファームホリデー協会には調査連携の同意を得ており、2023年度にルーラルツーリズム推進農家へのアンケート調査の実施を計画している。
本年度は調査の最終年度であり、すべての調査結果を分析し欧州におけるルーラルツーリズムの推進組織と日本への応用可能性について取りまとめる予定である。これらの成果は日本観光研究学会の観光研究への論文投稿や、同学会の企画ワークショップの主催による成果発表などで行う予定である。
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