研究課題/領域番号 |
21H03722
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
平山 昇 神奈川大学, 国際日本学部, 准教授 (20708135)
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研究分担者 |
菅沼 明正 九州産業大学, 地域共創学部, 講師 (00868672)
谷口 裕信 皇學館大学, 文学部, 准教授 (10440835)
笠井 賢紀 慶應義塾大学, 法学部(三田), 准教授 (80572031)
市田 雅崇 立教大学, 文学部, 特任准教授 (80910439)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 参詣 / 伊勢 / 信仰 / 観光 / ナショナリズム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、これまで体系的な実証研究がなされてこなかった近代の伊勢参宮ツーリズムの 動向(明治初年の御師制度廃止から昭和戦前・戦中期の伊勢参宮ブームに至るまで)につい て、「ゲスト(参詣者)」「交通・メディア」「ホスト(地域社会)」という3つの主体と、「娯楽・観光」「信仰・民俗」「教育・思想」という3つの文脈が相互に交錯するなかで展開していったことを、歴史学・民俗学・宗教学を横断した学際的アプローチから、実証的かつ総体的に明らかにするものである。
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研究実績の概要 |
伊勢参宮ツーリズムの近代史の構築のための学際的アリーナを構築することを重要な目的として、以下の4班が共同しながら調査・研究をすすめた。<信仰・民俗班> 近世以来の「御師―檀家」関係という「旧誼」にもとづいて地域共同体(主に農漁村部)の信仰・民俗の文脈で伊勢神宮を信仰した人々について検討するために、檀家関係史料を中心に調査・検討を進めた。<修学旅行班> 明治末期の大逆事件をきっかけに、昭和戦前期に至るまで拡大していった小学児童の伊勢神宮への修学旅行について検討するための基礎作業として、旧国鉄門司鉄道局文書のデジタル化を進めた。<交通・メディア班> 鉄道とメディア(新聞・雑誌)によって形成される大衆ツーリズムにおける伊勢神宮への行楽を兼ねた参拝について検討するために、関係するメディア資料を中心に調査・研究をすすめた。<地域社会班> 参詣者の受け入れの主体となった地域社会(伊勢神宮・旧御師・門前商工業者など)について検討するために、旧御師関係史料の撮影と整理をすすめた。 以上の研究成果は、逐次公刊物などにより公表している。主なものとしては以下の通り。平山昇「総力戦体制と「聖地」ツーリズム――「鍛錬」と「信仰」」(川島真・岩谷將編『日中戦争研究の現在』東京大学出版会、2022年4月)、谷口裕信「利根川・渡良瀬川合流地域(北埼玉郡)の被災情報 旧伊勢御師宛書簡を手がかりに」(土田宏成・吉田律人・西村健編『関東大水害』(日本経済評論社、2023年1月)、濱千代早由美「災害に関する共時的研究 「災害エスノグラフィー」と歴史」(同)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初目指していた旧御師家(岩井田家)文書の整理と撮影は順調に進んでいる。くわえて、メンバーの一人菅沼明正(九州産業大学)が発掘した旧国鉄門司鉄道局史料が、伊勢参宮ツーリズムにかぎらず戦前のツーリズム全般に関してきわめて充実した情報を有することが判明し、現在鋭意撮影を進めているところである。したがって、当初の計画以上に進展しており、最終年度である本年度の成果がさらに期待されるところである。
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今後の研究の推進方策 |
上記の4班の調査・研究活動を引き続き進める。具体的には、佳境を迎えつつある岩井田家資料の撮影と整理を目録や史料紹介などの形でまとめる段階に入る。旧国鉄門司鉄道局文書については、量が膨大であるため、この科研の後の別の研究費の獲得も模索しながら引き続き撮影と整理を進めていく。その他の史料調査もあわせて、年度内に本科研の総括を行う研究会を開催したい。
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