研究課題/領域番号 |
21H03754
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
藤井 剛 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (30709598)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | X線検出器 / 超伝導 / ウィンドレス / SEM-EDS |
研究開始時の研究の概要 |
様々な次世代機能性材料中のナノスケールでの微量元素分布計測に向けた、結晶分光器の高エネルギー分解能と半導体検出器の高検出効率を両立する究極の軟X線検出器の実現を目指し、冷却ポリキャピラリーレンズと超伝導トンネル接合(STJ)アレイX線検出素子を組み合わせたウィンドレス超伝導X線検出器を開発する。本提案では、通常室温に設置しているポリキャピラリーレンズを数10Kまで冷却することで、STJに影響を及ぼす黒体輻射光子の発生率を大幅に低減し、X線ウィンドウが無くても動作可能なウィンドウ超伝導X線検出器を実現させる。
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研究実績の概要 |
結晶分光器の高エネルギー分解能と半導体検出器の高検出効率を両立する究極の軟X線検出器の実現を目指し、冷却ポリキャピラリーレンズとSTJアレイX線検出素子を組み合わせたウィンドレス超伝導X線検出器の開発を実施している。2022年度は、2021年度に開発したスターリング冷凍機を用いた冷却ポリキャピラリーレンズシステムを走査電子顕微鏡、超伝導X線検出器と組み合わせたシステムを構築した。超伝導検出素子としては、STJアレイX線検出素子表面にアパーチャー構造を作製した素子を用いた。このシステムにより室温黒体輻射による影響の低下が期待されるので、X線ウィンドウを2枚から1枚に減らした。 ポリキャピラリーレンズの温度変化に対する効率の変化を調べた。冷却開始時のポリキャピラリーレンズが冷えていない状態では、通常時と同程度の効率であった。これは、スターリング冷凍機の振動等の影響によるX線光学系への悪影響が無いシステムを構築できていることを示している。しかし、レンズの温度が低下するに従い、X線検出効率の低下見られた。最大で50%程度の低下が発生した。一方で、長時間の冷却での効率の低下などは起きておらず、低下の原因は、冷却によるレンズへのガス吸着などが影響していないと考えられる。 ポリキャピラリーレンズの温度変化に対するAlのK線に対するエネルギー分解能を評価した。冷却開始前の時点で、通常と同程度のエネルギー分解能を達成していた。このことからアパーチャー構造が黒体輻射を低減していることが分かる。一方で、冷却前の時点で、エネルギー分解能が通常通りの特性を実現していたため、ポリキャピラリーレンズ温度に対するエネルギー分解能の影響は評価できなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
冷却ポリキャピラリーレンズと走査電子顕微鏡、超伝導検出器を組み合わせたシステムの動作に成功しており、開発しているシステムの特性評価を実施できる環境が構築でき、超伝導検出素子やポリキャピラリーレンズシステムの改良、評価のスムーズな実施が可能となっており、すでにX線ウィンドウも1枚まで減らすことに成功しており、ウィンドレス超伝導X線検出器の実現の見通しが立っている。
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今後の研究の推進方策 |
ポリキャピラリーレンズを冷却することで、レンズとしての特性が低下してしまうことが分かった。一方で、超伝導検出素子にアパーチャー構造を付けることで、黒体輻射の影響を低減できることが分かった。そのため、アパーチャー構造の最適化を進めるとともに、レンズ自体を冷やすことなく、レンズ以降のX線光学系を冷却することで、室温黒体輻射を大幅に削減する構造を構築することで、ウィンドレス超伝導検出器を実現させる。
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