研究課題/領域番号 |
21H03764
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
尾本 章 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (00233619)
|
研究分担者 |
長津 結一郎 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (00709751)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
|
キーワード | 音場再生 / 音響福祉工学 / 芸術社会学 / 音場再現 / 音場伝送 / 障碍者アート / 福祉工学 |
研究開始時の研究の概要 |
音場の特徴を収録して再生する,多チャンネルのマイクとスピーカを有するシステムに関する研究である。この総合的な性能を向上させつつ,具体的かつ直接的に人の役に立つ使い方を模索,実践することで,システムを人間のQOL(生活の質)向上へ寄与する有効な道具へと昇華させることが目的である。 このために,1) 再現対象の音場の規模感を適切に再生する方法の確立,ならびに 2) 人の福祉に直接的に貢献できる課題の遂行および適用例の継続的な探究,という具体的な目標を設定する。1) は,性能を工学的なデザイン課題であり,2) はシステムを福祉工学のツールとして位置づけ,意義を向上させる社会的なデザイン課題である。
|
研究成果の概要 |
音響学の分野において,音が存在する場である音場の特徴を別の場所で精密に再生する技術は「音場再生」あるいは「音場再現」と呼ばれている。この再生技術は,何らかの物理的な原理に基づき,工学的な手法を用いて実現する手法と,芸術的な観点で所望の表現を目指すものに大別できる。 本研究課題は比較的簡易な工学的な手法の開発と芸術的に優れた表現力の融合を試みながら,高性能かつ自由度の高いシステムの構築を目指すものである。また,技術的な側面のみではなく,構築したシステムを人の福祉に活用することも目標とし,一例としてコンサートホール親子室への響きの導入など,社会的に意義のある活用手法を模索することができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
音場再生システムの総合的な性能を決める要因として,A)何らかの物理的な原理に基づいており,B)聴取者の存在や移動などの外乱に強く,C)残響付加などの演出導入が可能で,D)映像情報との親和性が高い,という4条件を設定した。これらの達成に向けて,実績のある技術や簡易的な手法まで,様々なものを試み,比較試聴を継続的に行なった。 結果として,物理的指標の再現性能では実績のある手法が有利であるが,他の要因に対しては鋭指向性マイクを用いた簡易的な手法が優位であることが明らかになった。また社会的な意義を高めるためのアウトリーチ的な活動を行う際には,可搬性まで考慮した頑健なシステムでの再生が特に有利である。
|