研究課題/領域番号 |
21H03783
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
平井 真洋 名古屋大学, 情報学研究科, 准教授 (60422375)
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研究分担者 |
鹿子木 康弘 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 准教授 (30742217)
堀井 隆斗 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 講師 (60809333)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2021年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | 発達 / 行為 / 学習 / 身体動作 / モデル / 行為知覚 / 乳児 / 脳波 / 高密度脳波計測 |
研究開始時の研究の概要 |
我々の文化形成には知識継承が必須であるが,乳児は「どのように」知識・規範を学ぶのか?日常生活では,指差しなど身体の動きに基づくコミュニケーションが普遍的であるにもかかわらず,他者の動きが乳児の学習に果たす役割は不明である.本研究は他者の動きに基づく乳児の学習メカニズムを統制された実験ならびに自然な相互作用状況下で解明する.本研究は他者の動きによる社会的学習メカニズムを解明し,発達モデルを構築する.
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研究実績の概要 |
我々の社会・文化の形成には世代間の知識継承が必須である.しかしながら,言語能力を持たない前言語期の乳児は「どのように」知識・規範を学ぶのか?近年,「アイコンタクト」や「乳児向け発話」といった養育者の「顕示的な信号」が乳児の学習に重要な役割を果たすことが理論化されている.ところが,日常生活では,他者の身体の動きに基づくコミュニケーションが普遍的であるにもかかわらず,他者の動きが乳児の学習に果たす役割は十分明らかにされていない.本研究は他者の動きの「効率性」と「指向性」に基づく乳児の学習メカニズムを統制された眼球運動・脳波計測実験により解明する.これにより,他者の動きによる社会的学習メカニズムを解明することを目指す.特に今年度は,生後6ヶ月児を対象にした高密度脳波実験のデータ解析と結果の取りまとめを進めた.結果,6ヶ月児は乳児に向けられた非効率な物体提示動作を観察している際には,効率的な物体提示動作を観察している場合に比してベータ・ガンマ帯域の活動が生じることを見出した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに,生後6ヶ月児57名を対象とした高密度脳波計測実験を実施し,データ解析を進めた.結果,乳児に向けられた非効率な物体提示動作を提示した際には,効率的な物体提示動作と比較して6ヶ月児のベータ・ガンマ帯域において強い活動が見られることを見出した.これらの結果から,生後6ヶ月児においては効率的な動作に違反する動作の検出がすでになされていることが示唆された.
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画どおり,これまでの研究において乳児に向けられた非効率な動作の処理過程についてアイトラッカーと高密度脳波計測を通じて明らかにしてきた.しかしながら,6ヶ月児を対象とした脳波実験では,物体提示動作と学習の関係については見いだせていない.先行研究において報告されている,学習が成立する月齢の乳児を対象とした脳波実験を実施し,非効率動作の観察と学習の関係について解明する.さらに,非効率な物体提示動作の他の属性を操作し,提示動作と学習の関係についてもアイトラッカーを用いた実験で更に検証する.これらの実験結果を踏まえて理論構築に取り組む予定である.
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