研究課題/領域番号 |
21H03788
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
山本 慎也 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (90371088)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 脳温度 / 神経科学 / 認知科学 |
研究開始時の研究の概要 |
脳内の情報処理は、無数の化学的反応プロセスから構成されているため、温度の影響を受け変化すると考えられる。本研究課題では、脳内情報処理の過程で、局所脳温度がどのように変化し、それがどのように脳内の信号伝達を変化させ、行動レベルでの認知機能の変化をさせるのかを解明することを目標とする。さらに、得られた知見に基づき、脳温度操作による認知・行動変容の可能性について検討を行う。
|
研究成果の概要 |
本研究課題では、局所脳温度が知覚・認知どのように影響を与えるかという問題を解明する目的で、大脳皮質を様々な温度に制御し、体性感覚誘発電位(SEP)を測定する実験を行った。その結果、大脳皮質温度を低下させていくと、38℃から27.5℃までの範囲において、SEPの大きさが増加した。一方、GABA(A)受容体拮抗薬の投与によって、冷却に伴うSEPの増加は消失した。AMPAまたはNMDA受容体拮抗薬を投与した場合は、冷却に伴うSEPの増加は維持されていた。これらの結果から、生理的温度近傍における大脳皮質温度とSEPの大きさの負の相関関係の形成には、抑制性入力が寄与していることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、知覚・認知の情報処理過程において、局所脳温度に応じて神経活動が変化すること、および、その調節に抑制性入力が重要な役割を果たしていることを示すものであった。このことは、知覚・認知において、局所脳温度が新たな情報処理メディエーターとして機能している可能性を示唆しているとともに、感覚過敏などを呈する神経・精神疾患における病態理解に貢献できる可能性を示唆している。
|