研究課題/領域番号 |
21H03793
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 近畿大学 (2022-2023) 名古屋大学 (2021) |
研究代表者 |
財津 桂 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (30700546)
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研究分担者 |
澤本 和延 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (90282350)
井口 亮 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (50547502)
江口 盛一郎 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (80648650)
高橋 一誠 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 特任助教 (90897034)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
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キーワード | 生体医工学 / リアルタイム・メタボローム解析 / アンビエントイオン化質量分析 / バイオインフォマティクス / 生きたマウス / 時空間メタボローム解析 / 時空間解析 / リアルタイム計測システム / PESI/MS/MS / 脳科学 / リアルタイム計測 / 生命情報工学 / バイオンインフォマティクス / 時系列解析 / 情報科学 / 医工連携 / in vivo リアルタイム分析 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者・財津が開発した侵襲性が極めて低い新規質量分析法:探針エレクトロスプレーイオン化タンデム質量分析(PESI/MS/MS)を用いて、生きたマウスの脳表層の複数部位からメタボロームを経時的に計測するシステムを開発する。さらに、バイオインフォマティクスを用いることで、位置情報と時系列メタボロームデータを統合解析する手法:時空間メタボローム解析法を確立する。最終的に、本手法を生きたマウス胎児や脳腫瘍モデルマウスに応用し、胎児マウス脳のストレス脆弱部位や脳腫瘍が正常脳組織に与える影響を明らかにする。
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研究実績の概要 |
今年度(2022年度)の4月より、研究代表者・財津が名古屋大学から近畿大学に異動したため、リアルタイム測定システム(質量分析装置)の移設に伴う装置の再セットアップを実施すると共に、新たに立ち上げた研究室におけるマウスの一時飼育、実験・研究環境の構築を進めた。特に、前年度にリアルタイム計測装置の改造を依頼した島津トラステック(旧・島津エンジニアリング)の技術者の協力を得て、リアルタイム計測システムのチューニングを実施した。本システムでは長距離焦点レンズを用いて取り込んだ座標情報からサンプリング位置を複数個所指定し、その座標情報に従って3次元駆動ステージをX-Y方向に移動させて計測を行うため、座標情報と実際の穿刺位置のずれを測定し、システムのチューニングを実施した。その際、座標情報の中心位置を計測前にティーチングしておくことで、座標情報に基づく指定位置と実際の穿刺位置のずれが数百μm程度に収まることを確認した。また穿刺位置の繰り返し精度は極めて良好であった。研究分担者の方ではリアルタイム測定システムの適用対象となるモデルマウスの準備、解析用webアプリの改良などを行った。研究分担者・江口はマウス由来腫瘍細胞株を培養し、脳定位固定装置に固定した免疫不全マウスの脳にこの腫瘍細胞株を移植し、脳腫瘍モデルを作成する条件を検討した。細胞株の移植位置などを検討することで脳表層に腫瘍を形成する条件を最適化した。また、研究分担者・澤本はリアルタイム計測システムの検討用に胎児マウスのサンプリングを行い、一部の胎児マウスを研究代表者・財津に冷凍郵送し、胎児マウスの分析条件を検討した。また、研究分担者・井口および高橋は、前年度に作成したwebアプリのUI改良を行い、実証性を評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度、研究代表者・財津が名古屋大学から近畿大学に異動したため、リアルタイム計測システムの移設と再セットアップ、そして新たに立ち上げた研究室におけるマウスの一時飼育、動物実験・研究環境の構築を進める必要が生じた。異動した研究室は、前任者がdry系研究室として使用していたものであり、wet系の研究室ではなかったことから、研究室を大幅に改造する必要があり、電源工事やパーティション工事などを含めた研究環境の大幅な改造に予想以上の時間が必要となった。さらに、動物実験室としての許可申請および動物実験の学内承認手続きにも予想以上の時間を要したことから、動物実験を実施するための環境整備に多大な時間を要することとなった。しかし、研究代表者が研究環境構築に時間を要している間、研究分担者の積極的な協力で、最終年度に実施予定のモデル動物の検討や解析用webアプリの改良などを計画通りに進めることが出来た。また、研究代表者の方でも、動物実験などの研究環境を整備する間、リアルタイム計測システムの繰り返し精度や座標情報と実際の穿刺位置のずれなどの検証実験を進めたことで、何とか当初の計画通りに研究を進めることが出来た。既に現時点では動物実験のための一時飼育、動物実験の環境整備が全て整っており、また、動物実験の学内承認手続きもようやく全て完了したことから、来年度についても、当初の計画通りに動物を用いた実証試験を開始できる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は3年研究計画の最終年度であり、リアルタイム計測システムを実際のモデルマウスなどに応用し、複数のサンプリング位置から得られた時空間のメタボロームデータを解析することを目標とする。上述の通り、既にリアルタイム計測システムの繰り返し再現性などを確認し、システムの実証段階に入っている。また、研究代表者の研究環境の整備に加え、動物実験の学内承認も完了したことから、リアルタイム計測システムを生きたマウスに適用する準備が整った。一方で、研究分担者らも、モデルマウスの準備や時系列データ解析法の開発を順調に進めている。従って、来年度はリアルタイム計測システムを実際に生きたマウスに適用し、その実証性を評価することに主眼を置くこととする。具体的な研究計画は、研究代表者・財津はリアルタイム計測システムにおける質量分析の最終条件を整え、研究分担者・江口が準備を進めている脳腫瘍モデルへの適用を行い、肉眼的に判別できる腫瘍部位と非腫瘍部位をリアルタイム計測し、時空間データを取得する。また、研究分担者・澤本が準備を進めている胎児マウスにリアルタイム計測システムを適用し、生きた胎児の時空間データを取得する。得られた上記のデータに対しては、研究分担者・井口および高橋が開発した時系列データ解析法を適用して、時空間時系列データ間の相関などを可視化することを目指す。さらに、上記モデル以外にも適用可能なモデルマウスや異なる対象臓器にも適宜、リアルタイム計測システムを適用して実証評価を進めることを計画している。 最終的に、得られた成果については速やかに国内外の学会での発表に加え、主要な英文雑誌への論文発表を行うことを予定している。また、研究成果のアウトリーチ活動も積極的に行う予定である。
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