研究課題/領域番号 |
21H03796
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
出口 真次 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (30379713)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 張力ホメオスタシス / 適応 / メカノバイオロジー / 細胞バイオメカニクス / 慢性炎症 / CM-FRAP / 熱力学 / 統計力学 / FRAP / バイオメカニクス / パーコレーション |
研究開始時の研究の概要 |
増殖が可能な細胞には「張力ホメオスタシス」と呼ばれる、細胞内部の物理的な張力を一定に維持する性質が備わっている。これは細胞が周囲環境の変化に対して適応的に振る舞うための基盤となっており、その能力の不全は様々な疾患との関連をもつことが指摘されている。本研究の目的は、複雑な要素を含むために不明な点の多い当該現象のメカニズムを明らかにすることである。まず、従来は困難であった「細胞内」タンパク質の「複数の挙動(純拡散・化学結合・移流・機械的変形)の区別」を行うことができる測定法を開発する。得られた関連分子の挙動と熱力学の体系をもとに、張力ホメオスタシスのメカニズムを説明する。
|
研究成果の概要 |
増殖が可能な細胞には、細胞内部の物理的な張力を一定に維持する性質である張力ホメオスタシスが備わっている。これは、細胞が周囲環境の変化に適応し、自身の構造や機能を維持するための機能であり、その能力の不全は様々な疾患につながることがわかっている。本研究では、張力ホメオスタシス応答時の細胞内の挙動を計測する方法、具体的にはCM-FRAP法(Continuum mechanics-based fluorescence recovery after photobleaching)を開発し、細胞内で複雑な流れや変形が存在する中でも正確な分子ターンオーバー速度の計測が可能となった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「張力ホメオスタシス」は細胞が外部環境の変化に適応し、内部の物理的・生化学的な状態を一定に保つ重要な機能です。この機能の不全は動脈硬化やがんなどの疾患と関連しており重要な研究課題です。しかし、この現象の理解には生物学だけでなく物理化学を含む広範な知識と技術が必要なために十分に研究が進んでいませんでした。本研究ではCM-FRAP法という新しい計測方法を開発し、細胞の張力ホメオスタシスのメカニズム、すなわち細胞が環境の変化に応じて適応的に振る舞う際の変化の仕組みを詳細に解析することが可能になりました。ここで得た知見は張力ホメオスタシスの不全に起因する様々な疾患の予防や治療に役立つ可能性があります。
|