研究課題/領域番号 |
21H03808
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
李 鍾國 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教授 (60303608)
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研究分担者 |
坂田 泰史 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00397671)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2021年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
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キーワード | 三次元心筋組織構築 / 交感神経 / 臓器間クロストーク / オルガノイド / iPS細胞 / 心筋 / 自己組織化 / 成熟化 / iPS細胞由来心筋細胞 / ストレスファイバー / 脱細胞化 / 三次元組織構築 / 3次元心筋組織構築 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究においては、生体臓器に匹敵する機能特性を有する三次元心筋組織構築を目標に、以下の3点を行う. #1 交感神経-心筋クロストークによる自己組織化・成熟化促進メカニズムの解明と心臓オルガノイド創出. #2 臓器間クロストークによる生体に匹敵するバイオ人工心臓の構築:分化誘導過程のiPS心筋・神経細胞を心臓脱細胞化マトリックスに共播種し、臓器様三次元心筋組織構築を行う. #3 心臓オルガノイド・バイオ人工心臓の創薬・再生治療への応用:心臓オルガノイドおよびミニバイオ人工心臓を用い、創薬・再生治療研究に利用可能なプラットフォームを創出する.
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研究実績の概要 |
本課題の目的「生体臓器に匹敵する機能・形態を有する三次元バイオ人工心臓の創出に向けた基盤技術の開発」に沿い、当該期間中に下記をおこなった:
(1)成獣および新生仔ラットから摘出した心臓に、界面活性剤Sodium Dodecyl Sulfate (ドデシル硫酸ナトリウム: SDS )あるいは他の試薬を含む溶液を以下の①または②の方法で作用させ、①大動脈カニュレーションを用いて灌流、②試薬への含浸・振盪処理(②ではカニュレーションは行わない)により脱細胞処理を行い、終了後に組織固定を行い、細胞外マトリックス蛋白のcollagen (type1, 3)、laminin, fibronectinなどの免疫染色実験を行い、形態評価を行った。 また、多電極アレイ上に静置した脱細胞化心臓組織にヒトiPS心筋細胞を播種して3次元再細胞化心筋組織を作成し、Field potential波形および心筋興奮伝播速度などの心筋興奮特性の解析を行い、生理機能評価実験を行った。 (2)心臓交感神経特性の3D機能評価のため、カテコラミン負荷により作成したストレス誘発性心筋症マウスのランゲンドルフ灌流心に電位感受性色素をロードし、心表面の活動電位を記録し、ニコチン添加時の活動電位変化を観察した。本研究成果の一部は、心電学関連春季大会(日本不整脈心電学会関連学術集会、2022年4月オンラインで開催)にて発表した。 (3)ヒトiPS 細胞由来心筋細胞とラット由来交感神経細胞の共培養を行い、神経支配を有するヒトiPS心筋の生理特性を評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒトiPS心筋と交感神経細胞の二次元培養系は概ね順調に進行した。一方、脱細胞化組織を用いた三次元培養組織構築において、心筋と共培養する交感神経細胞が想定より少なく、共培養効果を得るために、さらなる改良が求められている。
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今後の研究の推進方策 |
交感神経細胞については、初代培養を用いる手法に加え、iPS細胞から交感神経細胞への分化誘導を行い、代替手段としての確立をめざす。 2023年度が最終年度であることを考慮し、2022年度までに確立した心筋-交感神経の共培養系をもとに3次元組織で安定して構築する技術を確立し、創薬・再生医療に有用なプラットフォームとして導出することをめざす。
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