研究課題/領域番号 |
21H03827
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
菊池 明彦 東京理科大学, 先進工学部マテリアル創成工学科, 教授 (40266820)
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研究分担者 |
久保 允人 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 教授 (40277281)
小松 周平 東京理科大学, 先進工学部マテリアル創成工学科, 助教 (60843844)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
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キーワード | 温度応答性 / コアーコロナ型微粒子 / 表面物性 / 微粒子形状 / コア-コロナ型微粒子 / 高分子微粒子 / 形状制御 / 免疫細胞 / 形状変化 / 細胞-微粒子相互作用 / 微粒子 / 分解性 / マンノース / 貪食 |
研究開始時の研究の概要 |
マクロファージや樹状細胞は、生体内における初期の免疫反応で異物排除に関わる重要な細胞である。申請者らは、高分子微粒子表面がより疎水的で球状の微粒子がマクロファージに貪食されやすいことを明らかにした。一方、マクロファージの代謝や、機能が微粒子の貪食に与える影響は未解明である。本研究では、温度刺激により表面物性と形状を変化しうる微粒子の特性が、 1)マクロファージや樹状細胞への貪食に与える細胞の代謝や活性化 2)マンノースレセプターと微粒子の特異的相互作用が両細胞への微粒子貪食、ならびに免疫機能 に与える影響を明らかにし、抗腫瘍免疫の活性化を実現する微粒子の設計指針を明らかにすることを目的にする。
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研究成果の概要 |
本研究は、微粒子の形状(球・ロッド)、表面の親水性/疎水性、特異的リガンドの有無を変化させた温度応答性微粒子と、初期免疫に関わるマクロファージとの相互作用を明らかにすることを目的にした。表面物性によらず微粒子がロッド形状では胞への取り込みは抑制された。一方、球状微粒子では、表面が疎水性になるほど細胞への取り込みは増大することが明らかになった。マクロファージはマンノース受容体を有することから、マンノースを微粒子最表面に導入すると、球状でかつ表面が疎水性の微粒子よりもはるかに多い微粒子の取り込みが起こることが明らかになった。本研究の成果は、マクロファージへの選択的薬物送達に役立つと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、温度刺激という単純な物理刺激を用いることで、微粒子の形状や表面物性を制御しうる材料設計を行なった。初期免疫を司どるマクロファージと微粒子との相互作用を、物理刺激の制御のみでコントロールできる可能性を示した本研究成果は、マクロファージへの選択的薬物送達の可能性を見出しただけでなく、用いる薬物によってはマクロファージの生物活性を制御しうる可能性があることから、がん免疫を改善しうる可能性があり、学術的にも社会的にも意義のある成果であると考えられる。
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