研究課題/領域番号 |
21H03831
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
瀬筒 秀樹 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 研究領域長 (70342805)
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研究分担者 |
横井 翔 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 主任研究員 (40773073)
吉岡 太陽 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (90596165)
坪田 拓也 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (00612772)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | シルク / フィブロイン / クスサン / カイコ / X線散乱解析 / 階層構造 / 一次構造 / 力学物性 / 構造・物性 / エリサン / ヤママユガ科 / 物性 |
研究開始時の研究の概要 |
チョウ目昆虫が作る繭(シルク)は、構造および物性において多様性に富む。この多様性は、シルクタンパク質のアミノ酸配列の違いや、シルクを構成するタンパク質の種類の違いにより産み出されていると考えられているが、その違いがどのようにシルクの構造形成や物性に寄与しているのかについては明らかにされていない。本研究では、シルクタンパク質の種類や配列に違いがあるカイコとヤママユガ科を用いて、これらの違いとシルクの構造形成および物性との関係を明らかにし、シルクの構造・物性の多様性を担う分子基盤の解明を目指す。本研究で得られる成果は、昆虫が多様な環境への適応を可能にした分子メカニズムの理解につながるものである。
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研究成果の概要 |
ヤママユガ科のクスサンとエリサンには、カイコに存在するフィブロインL鎖やフィブロヘキサメリンというシルク遺伝子が存在しないことがわかった。また、カイコと比べるとエリサンで発現が共通しているシルク関連遺伝子および異なる遺伝子が多数存在することを見出した。クスサンのシルクは、ヤママユガ科の中でもフィブロインH鎖のアミノ酸配列における繰り返し特徴配列の規則性が極めて高いため、これをモデルシルクとし、力学応答挙動の一部である破断伸度と特徴配列中のアミノ酸配列との相関関係を導くX線散乱解析手法を確立した。本手法は、ヤママユガ科シルクの力学応答挙動を一次構造情報から予測可能とする初めての手法となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シルクの構造・物性の多様性を理解するため、ヤママユガ科のクスサンやエリサンのシルク遺伝子を調べたところ、カイコとはシルク遺伝子の種類が異なることを示した。また、クスサンのシルクをモデルシルクとし、シルクの特徴的なアミノ酸配列(一次構造)と力学応答挙動の一部である破断伸度との相関関係を導くX線散乱解析手法を確立した。本手法は、ヤママユガ科シルクの力学応答挙動を一次構造情報から予測可能とする初めての手法であり、将来的には、ヤママユガ科シルクのゲノム編集によりシルクの力学応答挙動を任意にデザインすることを可能にする基盤技術となった。
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