研究課題/領域番号 |
21H03838
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
長谷川 純 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (90302984)
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研究分担者 |
高橋 一匡 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (10707475)
高山 健 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, その他部局等, 名誉教授 (20163321)
田村 潤 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 研究職 (90647017)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2021年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | レーザーイオン源 / レーザーアブレーション / クライオ標的 / 誘導加速シンクロトロン / 重粒子線がん治療 / 炭素イオンビーム / 重粒子線治療 / 凝結気体標的 / 高電離イオン |
研究開始時の研究の概要 |
重粒子線癌治療への世界的なニーズの高まりを受け,本研究では重粒子加速器システムの小型化および低コスト化を目指し,高電離炭素イオンの長時間安定供給が可能な「無限寿命・氷結気体標的レーザーイオン源」を開発する.液体窒素温度に保持されたクライオヘッド表面に炭素化合物の気体分子を凝結させた「氷結気体標的」に高強度レーザーを照射して完全電離炭素イオンを生成し加速器に供給する.これにより,従来型レーザーイオン源の連続運転時間を制約していた標的寿命の問題を解決し,レーザーイオン源の持つ優れた高電離炭素イオン供給能力を最大限に生かした安価で小型の次世代型重粒子線治療加速器の構築を可能にする.
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研究成果の概要 |
小型で低コストな次世代の重粒子線がん治療装置を実現するために,繰り返し使用可能なクライオ標的を採用した新方式のレーザーイオン源を開発した.液体窒素で冷却された円筒金属の表面にブタンの固体層を薄く形成し,そこに高強度レーザーを照射することで,高価数の炭素イオンを安定に治療用加速器に供給できることを実証した.また,開発したレーザーイオン源が長時間安定に動作する性能をもつことを示した.次世代の重粒子線がん治療装置の実用化には,開発したレーザーイオン源のさらなる性能向上が必要なため,様々な動作条件のもとで運転試験を行い,重要な基礎データを収集した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
レーザーイオン源は単純な装置構成で高電離のイオンを比較的容易に生成できる高い能力を持つが,長時間動作安定性の改善が課題であった.我々は,再生可能な円筒クライオ標的をレーザーイオン源に新たに適用することで,この課題の解決を目指し,高電離炭素イオンの十分な供給能力を持つこと,長時間安定動作にはクライオ標的上の再生固化層の形成条件の最適化が重要であることを見出した.重粒子線がん治療加速器施設においてこれまで用いられてきたイオン源を,本課題で開発したクライオ標的レーザーイオン源で置き換えることで,加速器施設の小型化や低コスト化が可能となり,重粒子線がん治療の普及促進が期待される.
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