研究課題/領域番号 |
21H03849
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90140:医療技術評価学関連
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 (2022-2023) 早稲田大学 (2021) |
研究代表者 |
坪子 侑佑 国立医薬品食品衛生研究所, 医療機器部, 主任研究官 (40809399)
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研究分担者 |
八木 高伸 早稲田大学, 理工学術院, 主任研究員(研究院准教授) (00468852)
岩崎 清隆 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20339691)
挽地 裕 地方独立行政法人佐賀県医療センター好生館(総合臨床研究所), 総合臨床研究所, 医師・医療系職員 (90380774)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2021年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
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キーワード | 断層粒子画像流速計測法 / 三次元ひずみ計測 / 血管内カテーテル治療 / 医療機器 / 断層画像流速計測法 / ひずみ分布計測 / 血管内治療 / 生体組織モデリング / 冠動脈石灰化病変 / カッティングバルーン / 圧縮試験 / 三次元ひずみ分布計測 / バルーンカテーテル |
研究開始時の研究の概要 |
冠動脈狭窄における高度石灰化病変はステントの不完全拡張を引き起こし再狭窄等の要因となるが、従来の血管拡張バルーンでは拡張能力に限界がある。ステント留置前に石灰化に亀裂を生じさせ破壊してステントによる病変拡張を支援する、バルーン周囲に数枚のブレードを備えたカッティングバルーン等の開発が進められているが、ヒトの石灰化の分布や厚みは一様ではなく市販前の有効性・安全性の臨床評価が困難な現状にある。 本研究ではカッティングバルーン等に対し、臨床に即した石灰化モデルを開発し、申請者らの有する、モデル血管に生じる高精度三次元ひずみ分布計測技術と組み合わせることで、新たな拡張性能試験法を確立する。
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研究実績の概要 |
血管内治療における治療機器と病変血管との力学的相互作用の可視化を目的として、粒子画像流速計測法を応用した実験的ひずみ分布計測に向けた、透明な石灰化病変モデルの製造法の効率化を進めた。 2021年度に試作した、蛍光トレーサを含有し冠動脈石灰化の物性を模擬する樹脂製病変モデルの作製の再現性向上と効率的生産のため、温度条件等の再考と流し込み成型用モールドの再設計を行ったことで、均質かつ製造時間の短縮を得ることができた。製造した複数ロットの石灰化モデルにてJIS A 1108:2018規格に準じた圧縮試験を実施し、ヒト石灰化プラークの圧縮強度の文献値である62±27 MPaを達成することができ、病変モデルの高度化に成功した。 次に、冠動脈用バルーンでの病変モデルの拡張実験を試行し、その際の石灰化の変形・破壊の様子を4台のScheinpflugカメラを用いた動画撮像系において取得した。粒子移動量分布の三次元画像からひずみを算出する解析手法を提案し、冠動脈石灰化病変モデルに生じた三次元ひずみ分布を描画することができた。局所的な応力集中が予想された石灰化狭窄部に最大ひずみが生じ、狭窄を中心とした血管モデル内膜側により大きなひずみが分布するという結果を得ることができた。 今後、有限要素解析等との比較検証を行いつつ、解析アルゴリズムの改良や、設計の異なる病変モデルや機器の組み合わせでの治療効果の可視化を行い、高精度にひずみ分布を取得できる生体外評価技術としての確立を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年1月に研究代表者が他研究機関に転出したが、2022年12月までに病変モデル開発およびScheinpflugカメラ実験系の確立を概ね完了させることができたため、研究代表者はひずみ分布算出における解析アルゴリズムの改良に注力しつつ、研究分担者らとの連携により、問題なく今後の研究を推進できると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である2023年度は、三次元ひずみ分布の算出からバルーン治療機器の動脈狭窄病変拡張性能と血管損傷のリスク・ベネフィット評価を行う。また、血管病変以外の治療機器や他領域の治療機器への適用可能性を検討し、生体と医療機器の力学的相互作用を可視化する新たな医工学評価技術としての展開を進める。
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