研究課題/領域番号 |
21H03861
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
1110:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
孕石 泰孝 関西大学, その他部局等, 専任教諭
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
420千円 (直接経費: 420千円)
2021年度: 420千円 (直接経費: 420千円)
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キーワード | 具体と抽象 / 往復思考 / インタラクティブ・ブック / インタラクティブブック |
研究開始時の研究の概要 |
「理科で学んだことは役立つか」という問いの納得解を得るのに「哲学的な見方」を身につけることは一つの有効な手段である。ここでいう「哲学的な見方」とは,「6本足を持つものが昆虫である」という具体内容から「複雑に見える虫の世界も,足の数という視点から見るとすっきり分類できる」というような抽象化した見方にまで高めて学べる見方のことである。こうした見方を学べる児童向け教材をインタラクティブブックとして開発する。
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研究成果の概要 |
本研究では,児童が「学んだことが役に立つかどうか」を考えた時に「役立つこと」としてイメージしているのは,多くが「学んだ具体的な知識」のことであることを明らかにした。しかし,「具体的な知識」は活用範囲が限定的であり,より広く「学んだこと」を活かすためには「抽象化された見方」を活用しようとすることを意識させる必要がある。 そこで,そのことを意識させるための小学生向けの教材として,インタラクティブブック『理科の学び方 ー抽象度高く学ぶということー』を作成した。本ブックはブラッシュアップをかけ「Apple Books」より無償配信した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「学校で学ぶことは役に立たない」という言葉が時々聞かれる。しかし,多くは「学校で学ぶことをうまく役立てられない」というのが実際ではないか。本研究で成果として作成したインタラクティブ・ブック『理科の学び方 ー抽象度高く学ぶということー』には,それに対する一つのヒントが詰まっている。 「具体と抽象の往還」とは以前より言われているが,義務教育においてその重要性を指摘し,具体的な教材として提示されたことはない。「具体と抽象の往復思考」は,「学んだことが役立つかどうか」という「受動的な学び」を越えて「どうすれば役立つものとなるか」というアクティブな学びへの姿勢への転換を促すものになると期待される。
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