研究課題/領域番号 |
21H03888
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
1160:社会学、心理学およびその関連分野
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研究機関 | 神奈川県警察科学捜査研究所 |
研究代表者 |
嘉幡 貴至 神奈川県警察科学捜査研究所, 研究員
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
450千円 (直接経費: 450千円)
2021年度: 450千円 (直接経費: 450千円)
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キーワード | 反応時間 / 隠匿情報検査 / 注意 / 手がかり / 視覚的注意 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の警察において実施されているポリグラフ検査では、質問を提示した際の被検査者の生理反応に基づいて、事件事実の認識(記憶)の有無を鑑定している。一方、反応時間を指標とした記憶検出は、反応計測が安価で簡便に行えるなどの利点があるが、実務で用いられる質問法への対応など、実用化を目指すには克服すべき点がいくつかある。本研究では、反応時間について多くの知見が蓄積されている視覚的注意の実験課題を応用して、実務検査の質問法に対応可能な新しい反応時間による記憶検出手法を開発し、その有用性について検証する。
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研究成果の概要 |
反応時間に基づく隠匿情報検査(RT-CIT)は、研究レベルでは多数の知見が報告されているにもかかわらず、ポリグラフ検査のように実務検査への適用例がないのが現状である。その原因の1つとして、従来のRT-CITにおける手続き上の制約が、実務への適用を困難にしていることが考えられる。本研究では、実務で使用されている質問法に対応可能な新たなRT-CIT手法を提案した。視覚的注意の実験手法を応用した手法について検討した結果、一部の条件において、反応時間から隠匿情報を推定することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
反応時間に基づく隠匿情報検査(RT-CIT)は、標準的なパソコンが1台あれば測定できるという費用面の利点に加え、記憶の有無がポリグラフ検査で測定している生理反応に反映されない者の取りこぼし防止、大人数に対する同時並行での検査、非接触かつ遠隔での検査など、ポリグラフ検査の実施が難しい事態に対応できる可能性を秘めていると考えられる。本研究成果は、犯罪捜査支援における心理学的手法の活用の幅を広げる1つの方向性として、RT-CITの実務適用について検討する上で重要な知見を提供するものである。
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