研究課題/領域番号 |
21H03899
|
研究種目 |
奨励研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
1170:教育学・教育社会学関連
|
研究機関 | かえつ有明中・高等学校 |
研究代表者 |
古賀 裕也 かえつ有明中・高等学校, 教諭(社会科・地歴公民科主任)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
380千円 (直接経費: 380千円)
2021年度: 380千円 (直接経費: 380千円)
|
キーワード | 哲学対話 / 教育 / 哲学 / 哲学教育 / 教師教育 / ファシリテーション / クリティカルシンキング / セーフティ / 安全性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、「哲学対話」(p4c)のファシリテーションの姿勢や技法を具体的にモデル化し、そのモデルを適用して主体的・対話的で深い学びの場が実現可能か検証することである。ただし、モデル化されたファシリテーションであっても、「対話の構え」(永井、2017)としての身体的・感情的・知的な安全性(Jackson、2004)なしには難しいことが実践者から報告されている。ゆえに、この安全性の実現のみならず、安全性の感覚の記述及び対話そのものとの関係性の解明についてもそれぞれ試みる。
|
研究成果の概要 |
「哲学対話」のファシリテーションのモデル化を試みる本研究は、試行錯誤の末、報告者による哲学対話のファシリテーションを360度カメラによって記録し、それを参加者を含めてともに振り返りながら分析をする共同的研究に行き着いた。そしてこの研究は次のような成果を得た。すなわち、「哲学対話」の構成や進行といった与えられる形式よりも、参加者の構えと、対話の場の安心感の両輪によって対話の成否が分かれるということである。この「構え」と「安全性(セーフティ)」が具体的に何を指すかをインタビューをもとに描き出し、更なる課題を見出すことを以て本研究の成果とする。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2022年度から高等学校で全面実施される新学習指導要領下において必要となる「哲学に関わる対話的な手法」(文部科学省(2018)「高等学校学習指導要領」: 86)の具体的な例として、すでにいくつかの「公共」教科書は「哲学対話」をとり上げている。しかしディベート等のある程度教育現場に馴染んだのものがある中で、新たに加わる「哲学対話」は、単に新たな手法ではなく新たな構えを教員にも生徒にも要求する。本研究は、その「構え」と「安全性(セーフティ)」の内実を明らかにすることで、学習指導要領の改訂の意義を正当に受け止め、学校における対話活動と対話そのものについての探究をより豊かにすることに貢献する。
|