研究課題/領域番号 |
21H03907
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
1170:教育学・教育社会学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中元 崇 京都大学, 大学職員
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
380千円 (直接経費: 380千円)
2021年度: 380千円 (直接経費: 380千円)
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キーワード | スタッフ・ポートフォリオ / メンタリング / リスキリング |
研究開始時の研究の概要 |
自己啓発により、個人がいかに高度・有用な能力を身に付けたとしても、所属組織の側がそれを有用と認識するとは限らない。本研究はこの個人・組織間の認識のギャップに着目し、個人は自身の能力の有用性をいかに組織側に説明するのか、その説明のあり様を解明することを目指すものである。 本研究の問題意識は、能力の有用性に対する認識のギャップ解消だけではなく「社会人の学び直し(リカレント教育)の普及が進まない」という一般的問題ともつながるものである。本研究で提示した問題の解決は、この一般的問題の解決にも寄与するものであり、社会人の学び直しが正当に評価される社会の実現へ貢献する意義も合わせ持つものである。
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研究成果の概要 |
本研究は、個人が保有する能力とその有用性について、組織内上司との認識のズレに着目し、その認識のギャップを補完する個人側の説明方略を探求するものである。具体的にはスタッフ・ポートフォリオの作成経験を持つ大学職員、メンタリングのメンターの経験を持つ大学職員を対象とするインタビュー調査を行った。その結果、個人の側が必ずしも強く自己の能力をアピールするわけではなく、むしろそれを避けるような説明を取っていること、メンターの側も必ずしも個々の能力について深堀りをしているわけではないことが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一般的に、何か能力を獲得・保持すれば、そのまま説明されたり、周囲から受け止められると想定されているが、実はそうではないことが新たな知見として得られた。 つまり、能力開発・能力形成の取り組みだけが重要なのではなく、その能力がいかに受け入れられるようにするか、いかに文脈づけるか(組織内や職業構造の文脈)という取り組みもまた重要であることが示唆される。 このことを社会人の学び直し・リスキリングの文脈に当てはめるとすれば、単に学ぶ内容や獲得されるスキルだけが問題ではなく、学んだ内容が活用される場、すなわち企業や職場の風土・意識の変革もまた求められることとなるのである。
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