研究課題/領域番号 |
21H03948
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
1180:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
松田 登紀 奈良女子大学, 附属幼稚園, 国立幼稚園教諭
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
410千円 (直接経費: 410千円)
2021年度: 410千円 (直接経費: 410千円)
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キーワード | 幼小移行期 / 幼小連携接続 / 小学生 / 教育当事者 / 子供の声 / ナラティヴ / アイデンティティ / 質的研究 / 就学移行 / 語り / 教育当事者としての子供 |
研究開始時の研究の概要 |
中教審答申において「幼児教育と小学校教育との接続の一層の強化を図る必要がある」(令和2年報告)とあるように、日本の幼児教育施設と小学校との接続には課題が残る現状である。この課題について本研究では、就学移行期を子供自身が当事者としてどう経験し意味づけ、幼稚園での学びと小学校での学びをつなぎ生活しているのか、臨床教育学的に明らかにする。この研究により学習主体・生活主体としての子供を理解し、well-beingの主体としての子供自身が経る「就学移行期」をどのように環境としてデザインするのか、教育システム研究の一助としたい。
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研究成果の概要 |
本研究は、就学移行を経験した当事者としての子供が、小学生となった今、現在の生活や学習を経る中でどのように幼小移行期を振り返り、「小学生になること」をどう意味づけ自分の経験としているのかを、彼らの語りから明らかにすることを目的とした。この結果、協力者達は「小学生になること」について○具体的な成長モデル、○具体的な環境の変化、○小学校文化、○幼稚園との比較対象、○ポジティブな感情対象、○ネガティブな感情対象、○強制感・外的プレッシャー、○「大人」概念の下位項目、○変身、○自伝的記憶の再構成、○漠然とした自己理解、○全能感、○社会構造の一つ、と意味づけていたことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの日本での幼小連携接続課題は子どもにとっての必要以上に、学校制度としての都合から生み出された課題であるが、そこで、経験した者としての当事者の声に基づく研究が展開されることに本研究の意味がある。つまり、幼小連携接続の「段差」「適応」というドミナントストーリーに、人生の重要な発達プロセスとしての幼小移行期、という新たな視点を提供するものである。
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