研究課題/領域番号 |
21H04127
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
2190:物理化学、機能物性化学、有機化学、無機・錯体化学、分析化学、高分子、有機材料、無機材料化学、エネルギー関連化学、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
魏 威凛 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 国立大学技術職員
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
470千円 (直接経費: 470千円)
2021年度: 470千円 (直接経費: 470千円)
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キーワード | 原子間力顕微鏡(AFM) / AFM探針の化学修飾 / 三脚分子 / AFM探針 / 化学修飾 |
研究開始時の研究の概要 |
原子間力顕微鏡(AFM)は,試料表面のトポグラフィーをナノメートルスケール更には原子レベルで測定する手法であり,材料あるいは生体分子などのイメージングに利用されている。解像度を決定する最も重要な要素はAFMカンチレバーと探針のサイズや性質である。従来の研究では,共振周波数の向上や探針先端の尖鋭化などの物理的な工夫により高速,高分解能イメージングの開発がなされてきた。更に最近,この探針部分に化学修飾を行うことで,試料のトポグラフィーのみならず,化学認識が行えることがわかっている。本研究では、AFM探針先端に三脚型の有機合成分子を結合させ,タンパク質結合型のAFM探針の開発を行う。
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研究成果の概要 |
本研究はAFMと有機合成化学を組み合わせてケモセレクティブなライゲーションを用いてタンパク質結合型のAFM探針の開発を行う目的とした。ジスルフィドを有する三脚分子を母骨格とし、先端にボロン酸グループを導入した新型分子を合成し、NMRや質量分析で分析した。本分子はポリペプチドと水溶液の中でも簡単に反応できる中間体である。これを用いて先端に色々なポリペプチドと反応させ、AFM 探針の開発を継続して行っている。また、既存の三脚分子をAFM探針に付けAnnexinというタンパク質を観察したところ、AFM先端に三脚分子はどのようにして吸着しているのを解明するため、AFM先端にAuの塊をTEMで観察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で化学修飾型AFM探針は, 従来用いてきたシリコンやカーボン製の探針よりも,原子間に働く力だけでなく,積極的に観察試料を走査し,基質-酵素複合体のような構造を検出することが期待できる。また,この手法を応用すると,いくつかの展望が考えられる。 1.従来のAFM 探針より自由度があり,多様な分野へ拡張できる。2.修飾した探針が特異的であり,タンパク質とその酵素のように相互作用するため,試料中の不純物から検出された信号と区別しやすく、解析もしやすくなる。3.膜タンパク質・LLPS などの試料を染色することなく,蛍光顕微鏡よりも高分解能で観察できる。
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