研究課題/領域番号 |
21H04133
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
2190:物理化学、機能物性化学、有機化学、無機・錯体化学、分析化学、高分子、有機材料、無機材料化学、エネルギー関連化学、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪府警察本部刑事部 科学捜査研究所 |
研究代表者 |
鎌田 寛恵 大阪府警察本部刑事部 科学捜査研究所, 大阪府警科学捜査研究所研究員
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
240千円 (直接経費: 240千円)
2021年度: 240千円 (直接経費: 240千円)
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キーワード | スボレキサント / 摂取証明 / 代謝物合成 / 尿中検出可能期間 / 尿中代謝物 |
研究開始時の研究の概要 |
オレキシン受容体拮抗薬に分類される、新しい睡眠薬であるスボレキサントの摂取証明法の確立を目的として、まず、入手困難な代謝物標準品の化学合成に着手する。代謝物の中でも尿中排泄量が最も多いと報告されているカルボン酸体(M-4)に加え、その前段階の代謝物である水酸化体(M-9)、さらに尿中排泄量が比較的多いとされている水酸化体(M-8)の合成を試みる。そして合成により得られた各代謝物標準品を用いてそれらの分析条件の最適化を行い、尿中スボレキサント代謝物の高感度分析について検討する。
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研究成果の概要 |
新規睡眠薬スボレキサントについて、摂取証明のための尿中スボレキサント鑑定法の確立及び尿中排泄動態の解明を目的として研究を行った。まず、代謝物標準品(M4及びM9)を化学合成し、得られた標準品を用いて、高感度分析が可能な液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析による分析法を開発した。 その分析法を実際の尿検体に適応し、得られた結果を考察したところ、代謝物M4は未変化体よりもかなり高濃度かつ長く検出され、一方、代謝物M9は抱合体率が高く、加水分解処理により大きな濃度増加が見込めること等が分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新規睡眠薬スボレキサントについては、これまで、性犯罪等で被害者を眠らせるために使われたり、服用した運転手が交通事故を起こしたりした場合、その捜査にはスボレキサント摂取の証明が必須にもかかわらず、そのための有用な鑑定法が確立されていなかった。 今回の研究により、スボレキサント摂取証明のために分析ターゲットとすべき対象が明らかとなり、その上、尿中排泄挙動についての情報も得られたことから、今後の薬物関連事案の捜査・解決に貢献するものと考える。
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