研究課題/領域番号 |
21H04142
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3110:農芸化学、生産環境農学、森林圏科学、水圏応用科学、社会経済農学、農業工学、獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
渡邊 将人 熊本大学, 技術部, 技術主任
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
450千円 (直接経費: 450千円)
2021年度: 450千円 (直接経費: 450千円)
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キーワード | シダ植物 / 胞子増殖 / 栽培試験 / 絶滅危惧種 / 野外調査 / 特産品 / オオタニワタリ / 胞子培養 |
研究開始時の研究の概要 |
オオタニワタリは本州~九州の温暖部、および沖縄に分布するシダ植物である。本種は新芽が山菜として利用されたり、観賞用として栽培されたりしている。一方で、その有用性から各地で乱獲されており、各県で絶滅危惧種とされている。 本研究では、オオタニワタリを熊本県天草地方の新たな特産品(食用、観賞用)とすることを目的としている。主要な内容内容は以下の通りである。 1)胞子の発芽から前葉体の発生までの最適な条件の検討。 2)苗として利用できる大きさとして、葉長10 cmに至るまでの効率的な生産方法を確立。 3)遺伝資源の保全を目的として、熊本県産オオタニワタリが県内で何か所、何個体が現存しているのか把握する。
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研究成果の概要 |
オオタニワタリはチャセンシダ科に分類されるシダ植物である。本州や四国の南端部、および九州南部以南に自生するが、盗掘によって野生個体は大きく数を減らし、絶滅危惧種とされている。本研究では初めにオオタニワタリの胞子による効率的な増殖条件を検討した。いくつかの培地と液体肥料を組み合わせて検討を行ったところ、有効な組み合わせを見出すことができた。幼苗を利用した苗の生産方法の検討については、胞子帯が5 cmになるまでの最適な用土を検討した。また、自生地調査においては天草市天草町にて、9個体が生育する新たな自生地が発見された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シダ植物の胞子を利用した増殖は昔から広く行われているが、効果的な条件を検討した研究はほとんど行われていない。今回の研究では、効果的に生育する培地と液体肥料の組み合わせを見出すことができた。多くのシダ植物は栄養繁殖を行わないため、増やすためには胞子を利用せざるを得ないが、ほかの多くのシダ植物にも応用することが可能であると考えられる。オオタニワタリは観賞用、食用として多くの多能性を秘めているため、得られた苗を利用した社会貢献に寄与できると考えている。
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