研究課題
奨励研究
腎がんの新規治療薬であるカボザンチニブを対象に、血中濃度と効果および副作用のデータより治療域を明らかにする。また、患者背景や臨床検査値、併用薬、遺伝子多型などの因子をパラメーターとして組み込んだ母集団薬物動態モデルを構築する。さらに、共変量として選択された因子別の投与量ノモグラムを作成し、実践的な薬物血中濃度コントロールの指標を構築し、カボザンチニブの有効かつ安全な個別化投与設計法の開発を目指す。
腎がんに対してカボザンチニブ治療を新規に開始した患者を対象に、有効かつ安全なカボザンチニブ血中濃度域および薬物動態モデルを構築するための観察研究を開始した。現在、カボザンチニブ血中濃度データの解析中である。腎がんの分子標的薬スニチニブの2週投与1週休薬スケジュール下において、総スニチニブ血中トラフ濃度を108 ng/mL未満に維持することは重篤な有害事象の発現を回避するために有効で、それに伴う治療継続性の低下は認められないことが明らかとなった。
本研究は現在も進行中であり、有効かつ安全なカボザンチニブ血中濃度域や個別化投与方法については、引き続き検討が必要である。腎がんの分子標的薬スニチニブの2週投与1週休薬スケジュール下において、有効な投与設計につながる成果が得られた。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件)
The Oncologist
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120007188917