研究課題/領域番号 |
21H04188
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3180:医療薬学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
中川 祐紀子 金沢大学, 附属病院, 薬剤師
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
430千円 (直接経費: 430千円)
2021年度: 430千円 (直接経費: 430千円)
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キーワード | クエン酸ナトリウム / ランソプラゾール / 配合変化 / 経管投与 / とろみ剤 |
研究開始時の研究の概要 |
経口で薬剤を投与できない患者は経鼻チューブや胃瘻等から薬剤が投与されるが、その際に複数薬剤を同時懸濁することによる配合変化が問題となっている。実験過程において、ランソプラゾールOD錠はクエン酸緩衝液で懸濁することにより、水よりも早期に腸溶性顆粒がほぼ全て溶解する結果が確認された。そこでクエン酸ナトリウムを含む薬剤やとろみ剤等が腸溶性コーティングに与える影響および影響を与えうる条件を明らかにする。
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研究成果の概要 |
クエン酸ナトリウムを含有する薬剤とランソプラゾール(LPZ) OD錠を同時懸濁することにより、LPZが早期に溶出することが分かった。また、クエン酸ナトリウム含有薬剤もしくはとろみ剤とLPZ OD錠の同時懸濁液を、塩酸で攪拌後に中性緩衝液で攪拌した結果、LPZの残存率が低下することが分かった。 以上よりクエン酸ナトリウムは腸溶性コーティングを早期に破壊し、耐酸性能を低下させる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
クエン酸ナトリウムは医薬品および医薬品添加物だけでなく、とろみ剤や服薬支援ゼリーの食品添加物としても使用されている。今回、クエン酸ナトリウムがランソプラゾール(LPZ) OD錠の腸溶性コーティングを早期に破壊し、耐酸性能を低下させると示唆されたことにより、この条件下でLPZ OD錠を投与すると、LPZは胃酸で分解され薬効が減弱する可能性が考えられた。 今後の超高齢社会において多用される経管投与やとろみ剤等の服薬支援時における新たに注意すべき配合変化として提示できたと考えられる。
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