研究課題/領域番号 |
21H04246
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3190:生体の構造と機能、病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 兵庫県警察本部刑事部科学捜査研究所 |
研究代表者 |
櫻田 誠 兵庫県警察本部刑事部科学捜査研究所, 兵庫県警察職員研究職
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
470千円 (直接経費: 470千円)
2021年度: 470千円 (直接経費: 470千円)
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キーワード | 冠動脈硬化症 / FURIN / マクロファージ / SNP / 心臓突然死 / 動脈硬化 |
研究開始時の研究の概要 |
心臓突然死の主たる原因となる虚血性心疾患は、冠動脈病変に起因することが多く、肥満や脂質異常症は大きな危険因子として危惧されている。 法医学の現場において虚血性心疾患の症例数は多いものの、明らかな心筋凝固壊死や血管異常がなければ診断は難しく、疾患の原因究明と信頼できる死因診断法の開発は急務である。 本研究では、遺伝学的に冠動脈疾患と強い関連が示唆されるタンパク質(FURIN)について、一塩基遺伝子多型、心筋、心外膜脂肪、冠動脈におけるFURIN発現とマクロファージの病態から冠動脈疾患の要因について詳細に検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では、遺伝学的に冠動脈疾患(CAD)と強い関連が示唆されるFURINについて、SNP遺伝子多型、心筋、冠動脈におけるFURIN発現とマクロファージの病態からCADの要因について検討を行った。動脈硬化に対するrs17514846の疾患感受性アレルはAアレルと考えられているが、Stary分類のV型、VI型に該当するAA症例は認められず、rs17514846とCADとの有意な関連性は認められなかった。免疫染色の結果、FURINは、動脈硬化高度病変部位に多く認められるマクロファージに多く発現していることから、動脈硬化の病態形成にFURINが関与している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ヒト剖検試料を用いて、冠動脈硬化症とその要因となる可能性のあるFURINとの関連性について検討した。その結果、FURINのSNP遺伝子型と冠動脈硬化症との関連性は認めることはできなかったが、実際のヒト剖検組織におけるFURINの発現パターンや、動脈硬化形成の端緒となるマクロファージで高発現していることを明らかにした。動脈硬化症の一因となりうるFURINの発現を制御することで、疾患の抑制につながる可能性が示唆された。
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