研究課題/領域番号 |
21H04260
|
研究種目 |
奨励研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3200:腫瘍学、ブレインサイエンスおよびその関連分野
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
鵜野 いずみ 金沢大学, 附属病院, 臨床検査技師
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
320千円 (直接経費: 320千円)
2021年度: 320千円 (直接経費: 320千円)
|
キーワード | 呼吸機能検査 / 脳腫瘍 / 意識障害 / 脳機能 |
研究開始時の研究の概要 |
脳腫瘍患者において、呼吸に関連した症状を訴える患者が存在する。しかし、現状では評価方法はない。そこで、その評価法として患者に最大限息を吸わせ、一気に吐き出させて肺活量や一秒率などを得る呼吸機能検査に着目した。手術前の検査でうまく息を吐けなかった脳腫瘍患者が、手術後に検査手技の改善を認めた経験から、脳腫瘍が呼吸に関連する脳機能領域に影響を与え、息をうまく吐けなくなると仮説を立てた。この仮説の検証のため、脳腫瘍の種類やできた部位、大きさなどと呼吸機能検査の手技との関連を検討する。
|
研究成果の概要 |
2015年4月から2020年12月の間に、手術前の呼吸機能検査が施行された脳実質腫瘍日本人患者128例を対象とした。呼吸機能検査手技は、日本呼吸器学会編呼吸機能検査ガイドライン(2004)を参考に定義し、検査結果波形や検査者からのコメントの有無などにより手技不良例を判定した。手技不良例は36例であった。呼吸機能検査手技不良に関連する因子を検討したところ、意識障害の有無が関連することが分かった(オッズ比:0.080、95%CI:0.022-0.298、p <0.01)。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究では、呼吸機能検査手技不良は脳腫瘍による意識障害を反映している可能性があり、新たな評価項目となり得る可能性が示された。呼吸機能検査はポータブル検査機器も普及しており、あらゆる規模の医療施設で侵襲なく行うことができる。術前の呼吸機能評価を行うと同時に、スクリーニング検査として脳機能の評価にも有用である可能性がある。また、脳腫瘍部位と検査手技の関連は見出せなかったが、より詳細な部位での検討を今後行う予定であり、新規の脳機能局在が示される可能性がある。
|