研究課題/領域番号 |
21H04266
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3210:内科学一般、器官システム内科学、生体情報内科学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
南 修平 金沢大学, 附属病院, 診療放射線技師
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
320千円 (直接経費: 320千円)
2021年度: 320千円 (直接経費: 320千円)
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キーワード | X線撮影 / 線量低減 / 銅フィルタ / 被ばく低減 / 腹部 / 被ばく |
研究開始時の研究の概要 |
近年増大する医療被曝に対する対策として放射線検査の診断参考レベルが設定され、各医療機関では基準値の範囲内で検査施行や更なる被ばく低減の可能性について検討されている。しかしながら、線量低減が過度であれば、必要な診断情報が得られなくなり、かえって無駄な被ばくとなる問題がある。 診断に必要な画質を維持して線量低減するにはX線発生器側に金属フィルターを付加し、画像形成に寄与しないX線を除去する方法がある。胸部での報告数は多いが腹部では少ない。本研究の目的は臨床での腹部単純X線撮影において、銅フィルターを付加し、画質を損なうことなく放射線被ばくを低減する撮影法の有用性を検討することである。
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研究成果の概要 |
腹部領域における金属フィルタを付加する被ばく低減撮影法が報告されているが,臨床での報告は少なく普及しているとは言えない.今回,腹部単純X線撮影において,80 kV,0.2㎜銅フィルタを使用した被ばく低減撮影法の臨床使用での有用性を検討した. 銅フィルタなしを基準として,銅フィルタありの場合の線量低減割合の計測、臨床画像を利用した定量評価、放射線科医による視覚評価を行った結果、約44 %線量が低減し、定量評価および視覚評価は銅フィルタの有無による有意差は認められなかった。以上より腹部単純X線撮影において,80 kV,0.2㎜銅フィルタの使用は,画質を妥協することなく被ばく低減が可能である.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
金属フィルタを付加した臨床での報告は胸部では多いが,腹部ではほとんどない.0.2 ㎜銅付加フィルタ使用下で同等の画質を維持できるとファントム実験にて報告があるが臨床使用下での検討はされていない.他条件での臨床使用での報告が1つあるが,管電圧90kVにて0.1 ㎜の銅フィルタであり,通常腹部撮影で使用する管電圧70kV~80kVより高いため臨床使用の参考にするには難しい施設が多いと考えられる.本研究では実用的な管電圧80kV,0.2 ㎜の銅フィルタあり,なしの条件で同等の画質を維持できることが明らかになった.この結果は多くの施設が腹部の被ばく低減撮影法を導入する一助になると考える.
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