研究課題/領域番号 |
21H04275
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3210:内科学一般、器官システム内科学、生体情報内科学およびその関連分野
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
児玉 望 大分大学, 医学部, 医員
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
470千円 (直接経費: 470千円)
2021年度: 470千円 (直接経費: 470千円)
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キーワード | 漏斗胸 / 致死性不整脈 / 特発性心室細動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,漏斗胸やそれに準ずる胸郭の狭い症例において,“胸郭陥凹による心臓圧迫”が組織学的に心筋の持続的な炎症や線維化といった変化をもたらし,突然死を起こす不整脈 (致死的不整脈) の原因となっているのではないか?また胸郭形成術 (胸郭陥凹矯正手術) により心臓圧迫が解除されれば致死的不整脈が抑制できるのではないか?といった点を明らかにすることが目的である。胸郭陥凹モデルマウスにより心臓圧迫がもたらす心筋への影響についての組織学的検討を行い,胸郭陥凹負荷期間に応じた致死的不整脈の誘発性や,心臓圧迫の解除による変化についても評価する。
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研究成果の概要 |
致死性不整脈による心臓突然死の一部は遺伝子変異などの原因が明らかとなってきたが,依然として原因不明のものが多く存在する。代表者はその原因の一つに漏斗胸などでみられる“胸郭陥凹による心臓圧迫”があるのではないかと着想した。本研究では,“胸郭陥凹による心臓圧迫”が心筋そのもの,また致死性不整脈の誘発性に及ぼす影響について検討を行うことを目的としている。 代表者は,プラスチックコルセットを用いたオリジナルの胸郭陥凹モデルマウスを作成した。これまでの検討で,特に陥凹した胸骨前面に圧迫されている右心室の心筋において,組織学的に心筋の炎症や線維化が確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
致死性不整脈の原因は特定されないことも多いが,不整脈の診療にあたる臨床家の間では,特に右心室の心筋に見られる異常電位が致死性不整脈の治療の標的になるということが知られ始めている。この異常電位は心筋の線維化を意味すると考えられている。今回,胸郭陥凹による機械的圧迫・機械的刺激により右心室の心筋の炎症や線維化が組織学的に証明されたことは,漏斗胸などでみられる胸郭陥凹が致死性不整脈の原因の一つとなりうることを示す意義のある成果と言える。
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