研究課題/領域番号 |
21H04277
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3210:内科学一般、器官システム内科学、生体情報内科学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
桐野 友美 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 実験補助員
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
470千円 (直接経費: 470千円)
2021年度: 470千円 (直接経費: 470千円)
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キーワード | 肺高血圧症 / 炎症性サイトカイン |
研究開始時の研究の概要 |
膠原病関連肺動脈性肺高血圧症 (PAH) の病態をより強く反映するモデルとして新たに開発したPriHxモデル(鉱油の一種であるプリスタン投与に低酸素負荷を組み合わせたモデル)と、ヒトPAHに類似した病態を呈するとして一般的に使用されているSuHxモデル(VEGF受容体阻害薬Su5416に低酸素負荷を組み合わせたモデル)をマウスで作製し、末梢血・骨髄・脾臓・肺の複数タイムポイントでのフローサイトメトリー解析、機能解析を行い、肺高血圧症モデル動物における造血・免疫系の動態を明らかにする。
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研究成果の概要 |
膠原病に合併するPAH (CTD-PAH) の病理学的特徴を反映したマウス肺高血圧症モデルとして、所属研究室で開発したプリスタン/低酸素(PriHx)モデルを用いて、造血・免疫系の動態を解析した。PriHxマウスの肺および脾臓では、CD11b陽性の骨髄球系細胞の増加や、PD-1陽性のCD4 T細胞の増加などの免疫学的変化が認められた。また、肺においてIL-17産生CD4 T細胞の比率が増加していることが明らかとなり、PriHxモデルの肺高血圧症病態におけるTh17細胞の関与が示唆された。プリスタン投与マウスでは、骨髄内の前駆細胞レベルにも変化が認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺動脈性肺高血圧症 (pulmonary arterial hypertension; PAH) は厚生労働省の指定難病であり、予後不良の疾患である。全身性エリテマトーデス (SLE) などの 膠原病にはPAHを合併することがあるが、特発性/遺伝性PAH (I/HPAH) と比べても予後不良であり、分子病態の解明とそれに基づく新たな治療法が望まれている。膠原病に関連するPAHの病態を反映したモデルマウスを用いた本研究の成果は、CTD-PAHの病態解明に寄与し、新規治療法の開発などの臨床応用へ向けた基盤になると考えられる。
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