研究課題/領域番号 |
21H04313
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3250:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
古屋 浩太 富山大学, 附属病院, 理学療法士
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
470千円 (直接経費: 470千円)
2021年度: 470千円 (直接経費: 470千円)
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キーワード | 経頭蓋直流電気刺激 / 背外側前頭前野 / 経頭蓋磁気刺激 / 運動誘発電位 / MEP潜時 / MEP振幅 / tDCS |
研究開始時の研究の概要 |
近年、脳卒中による麻痺の改善を目的とした非侵襲性の脳刺激として、経頭蓋直流電気刺激が注目されている。 我々はリスクの少ない損傷側背外側前頭前野への経頭蓋直流電気刺激が、片麻痺症状の改善に有効であることを明らかにした(Shibata et al. J. stroke and Cerebrovascular Dis, 2020)。しかし、改善の背景となる神経生理学的検証は行えていない。 本研究により、神経生理学的変化を明らかにし、脳卒中患者の麻痺改善メカニズムを解明することで、脳卒中に対する新しいストラテジーが構築できる。
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研究成果の概要 |
本研究を1名の被験者に実施した。統計解析は対応のあるt検定を行い有意水準を5%とした。 結果、sham刺激でのペグ課題(前/後)では35/34本、MEP(潜時)(前/後)21.5±0.6/21.8±0.2 ms(p>0.05)、anodal刺激でのペグ課題(前/後)では35/36本,MEP(潜時)(前/後)21.4±0.4/21.2±0.8ms(p>0.05)であった。一方、anodal刺激直後のMEPはsham刺激直後のMEPより潜時の短縮が見られた(p<0.05)。以上のことよりtDCS(anodal)刺激はsham刺激よりもMEP(潜時)の有意な変化を一時的に誘発することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
tDCS療法は国際基準に則った刺激強度で行えば、火傷などの有害事象を生ずることなく、安全に実施することができる。また、非侵襲性であること、可搬性に優れていることを考慮すれば、今後はリハビリテーションの臨床場面で多用できる。 今回、被験者数には課題があり確定的な結論を導くことは困難であったが、運動機能改善の背景には錐体路機能の促通現象が生じている可能性が示唆された。今後はさらに被験者数を増やし、さらなる検証を行う計画である。神経生理学的変化を明らかにし、脳卒中患者の麻痺改善メカニズムを解明し、脳卒中に対する新しいストラテジーを構築していく。
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