研究課題/領域番号 |
21H04315
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3250:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
松井 瞭友 獨協医科大学, リハビリテーション部, 理学療法士
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
450千円 (直接経費: 450千円)
2021年度: 450千円 (直接経費: 450千円)
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キーワード | 転倒予防 / iTUG / ロコモ25 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,前期高齢者を対象として歩行時重心動揺と運動能力の自己認識の乖離について横断的に調査し,3か月以内の転倒の有無で比較することで転倒への影響要因を明らかにする. 高齢者の転倒リスク因子は,過去の転倒歴,バランス障害,筋力低下,糖尿病など複数要因が挙げられる.近年,転倒を予測するリスクファクターを早期に同定し,効果的な二次予防プログラムを確立することが望まれている. M-BITは胸部装着型重心動揺計で,静止立位及び歩行時の重心動揺が計測可能である.片側下肢のステップ長やステップ強度などが算出され,重心動揺の軌跡から独自の転倒リスク評価が数値化が可能である.
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研究成果の概要 |
転倒は、高齢者の骨折の主原因である。転倒における危険因子を同定し、転倒リスクのある高齢者を早期発見する事を目的とした。 対象者は14名(男性3名、女性11名)で平均年齢は74.8±4.3歳であった。検査項目として、握力、膝伸展筋力、片脚立位時間、Short Physical Performance Battttery、ロコモ25、iTUG時間、iTUGスコアの測定を行った。統計解析として各検査項目の相関関係を調査した。その結果、iTUGスコアとロコモ25で有意な相関関係が認められた。iTUGスコアはiTUG時間とは異なり高齢者の転倒リスクを多方面から簡便に検出できるデバイスとして期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
iTUGスコアとロコモ25で有意な相関関係が認められた。その背景として、ロコモ25は体の痛み、生活動作、心理的側面等も評価対象であり、運動機能以外の要因もiTUGスコアと関係する事が今回の結果から示唆された。ロコモ25で測定可能な移動能力の低下とバランス能力には関係性があることが示唆されたが、iTUGスコアを決める歩行時の重心偏移とロコモ25の各設問項目との具体的な関連性に関しては今後も調査の必要がある。 iTUGスコアはiTUG時間とは異なり年齢や身体フレイルとの関連を認めず、身体機能とは独立した要因であることが窺われた。高齢者の多様な転倒リスクを簡便に検出できるデバイスとして期待される。
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